弱さを知る強さ

◯あやは◯

金森先生にバーでのバイトを禁止されマスターにまた休みの連絡をいれた
いいマスターで体調を気遣ってくれて休みも快く承諾してくれた

私と話したくて来てくれるお客さんもいてその人たちにも申し訳ない

帰宅して明日のバイトの準備をして速攻で寝た

《おはよう
体調に気をつけて、今日俺休みだから
なんかあったら携帯に連絡して
じゃ19時半にクリニックで》

メッセージが入ってた

まずはコンビニの早朝バイト
高校生の時からお世話になってるコンビニでもう古株

昼過ぎまで働いて次は個別塾の講師

小学生から高校生までの全ての教科の授業をみている

19時までしっかり働いて一度帰宅

お腹の調子もそこまで悪くならずに1日過ごせた

明日も朝から早朝バイト

早くクリニックに行って早く帰りたい

《終わりました。
クリニックに向かいます》

家を出る時に連絡して
マンションの階段を降りた

「おつかれ」

「うわっびっくりした」

一階の階段横に金森先生が立っていた

「ごめん、びっくりさせた」

「なんでいるの?来るか疑ったの?」

「いんや、暇だったし迎えに来た」

「そ」

びっくりしたけど彼氏みたいで嬉しかった
ただ行き先はクリニック...

映画やショッピングモールのようなデートならよかったのに...

「今日は体調よかったか?」

「うん、そこそこ」

「そか、ならよかった」

「...」

金森先生は私の体調しか気にならないんだろうな
いつもそれしか聞いてこない

しかも今日は会話続かなくて気まずい

あっという間にクリニックについた

「今日は午後休診だから誰もいない
安心しろ」

そうだ今日土曜日だ

どうりで暗くて静かだと思った

慣れた手つきでクリニックの鍵を開けて電気をつけた

「ここの処置室で待ってて
俺上から一式もってくる」

扉を開けてくれてその部屋に入った

総合病院よりはマシだけど病院の雰囲気はやっぱり苦手

すぐに先生が降りてきた

「横になって」

言われた通り横になって軽く診察を受ける

「お腹の音もちゃんとしてるしそこまで痛くないだろ」

「うん」

「ちょっとだけでも点滴で薬入れてるから炎症が抑えられてるんだと思う」

「うん」

「明日は俺、当直で向こうにいるから向こうに直接きて
今日はもう帰って寝ろ
明日点滴しよう」

「わかった...」

よかった、今日は点滴せずに帰れる
...でも点滴しないならクリニックに来なくてよかったじゃん

「じゃまた明日な」

「うん」

今日はなんでかわからないけど先生にモヤモヤした日だった




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