弱さを知る強さ

◯あやは◯

病院について先に歩く金森先生について行った

2ヶ月ぶりの病院でドキドキ
何されるのか怖い

今まで以上にお腹も痛くてそれも怖い

「先生、ちょっとトイレ行きたい」

病院の救急入口から入ってすぐ声をかけた
まだ心の準備が...できていない

「この廊下の右側にあるから3分で戻ってきて」

「...3分」

「あやは、長引かせてもドキドキするだけ
また腹痛で動けなくなって倒れると大変だから変なこと考えずに治療受けろ」

「...」

「治療にビビってトイレに行くなら行かせないけど?
本当にトイレ?」

「...」

「まぁ点滴するとトイレいけなくなるし
先にいっとくか?ここで待ってるから」

「...うん」

トイレでゆっくりしてるとあっという間に3分経った

《もうちょいで戻るから待って》

メッセージを送って気持ちを整えた

あああ
本当に嫌だ

金森先生が彼氏になったからといって
すんなり病気を受け入れられるかと言われればそうではない

「...お待たせ」

結局、10分くらいトイレにこもってから気持ちを整えてトイレを出た

金森先生は廊下に立って携帯を触っていた

「よしじゃあ行こうか」

私がきたらそれだけ言って救急の受付に向かって歩いて行った

「あっ、保険証ある?」

「...」

あるけど現実味を感じるから出したくない...

「後ででいいからすぐ出せるようにしてて」

「...」


「すみません、さっき連絡した消化器の金森です
診察室かります。」

「はい」

救急の待合に5.6人待ってる人がいた
まだ5時半なのにたくさんしんどそうな人たちがいた
その人たち優先してあげたほうがいいんじゃない
私はまだ心の準備ができないし

金森先生は受付の人に声をかけて先に進んでいく
ついて行くのに必死

「ねぇ、金森先生」

「ん?」

部屋の前で立ち止まった

「患者さん待ってるよ
私より先に見てあげて」

「あやはの体調もそこそこ悪い」

「...でも」

「救急医がちゃんといる
俺は今日、休みだから関係ない」

「でも医者でしょ」

「あやはが点滴してる間に見ることはできるけど優先はお前が1番だ」

頭に手を置いて部屋に入った

「//」

「俺、更衣室で着替えてくるから
ベッドに横になって休んでて
俺がいない間にお腹痛くなったら近くの看護師に声かけるか俺に直接電話して、飛んでくるから」

「...」

「痛くなってもトイレにはこもるな」

「わかった」

そのまま金森先生は着替えに出て行った

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