私の愛すべき人~その別れに、愛を添えて~
涼介は相変わらず仕事が忙しいようで、休みもなく、取引先を飛び回っているようだった。
再会してからデートらしいデートはなく、一度食事に行っただけ。少し寂しい気持ちもあったが、涼介のいない生活に慣れてしまっていたせいか、不思議とそこまではなかった。
「一ノ瀬とくっつくかと思ってた」
「はぁっ!?」
何の前触れもなく菜穂の口から飛び出したその名前に、心臓が大きく跳ねる。動揺でフォークに乗せていたチーズケーキが、ころりとテーブルの上に落ちた。
「な、何でそうなるのよ!?」
慌てて拾う私を見てクスクスと笑う菜穂。
「息が合ってたし、なんとなく?」
「や、やめてよ」
あいつの名前を出されると、今もまだ胸がざわつく。
「最近、一ノ瀬と会った? みんなで初詣とかさ」
「ううん、全然。あんたがいるときしか来ないもん」
「え、何それ!?」
思わず顔を上げると、菜穂は「知らないの?」とでも言うように、不敵な笑みを浮かべている。その表情に、私はただポカンとしてしまう。
「バカね、凛が好きだからでしょ。あんたと一緒にいたくて、酒も飲めないくせに居酒屋きたり、開院パーティにきたりしてたんじゃない。この鈍感め」
取り乱す私とは対照的に、菜穂はまるで当たり前の事実を告げるかのように、こともなげに言った。
再会してからデートらしいデートはなく、一度食事に行っただけ。少し寂しい気持ちもあったが、涼介のいない生活に慣れてしまっていたせいか、不思議とそこまではなかった。
「一ノ瀬とくっつくかと思ってた」
「はぁっ!?」
何の前触れもなく菜穂の口から飛び出したその名前に、心臓が大きく跳ねる。動揺でフォークに乗せていたチーズケーキが、ころりとテーブルの上に落ちた。
「な、何でそうなるのよ!?」
慌てて拾う私を見てクスクスと笑う菜穂。
「息が合ってたし、なんとなく?」
「や、やめてよ」
あいつの名前を出されると、今もまだ胸がざわつく。
「最近、一ノ瀬と会った? みんなで初詣とかさ」
「ううん、全然。あんたがいるときしか来ないもん」
「え、何それ!?」
思わず顔を上げると、菜穂は「知らないの?」とでも言うように、不敵な笑みを浮かべている。その表情に、私はただポカンとしてしまう。
「バカね、凛が好きだからでしょ。あんたと一緒にいたくて、酒も飲めないくせに居酒屋きたり、開院パーティにきたりしてたんじゃない。この鈍感め」
取り乱す私とは対照的に、菜穂はまるで当たり前の事実を告げるかのように、こともなげに言った。