私の愛すべき人~その別れに、愛を添えて~
「俺は、素直で真っ直ぐな凛が好きだよ。嘘をつけない、そんな凛が好きだ」
「何、急に……」
「あ、一ノ瀬だ!!」
「え、どこ、どこに!?」
素早く反応し、辺りを必死に見回す。そんな私を、涼介は目を細め泣きそうな笑顔で見ている。それを見て慌てて顔を覆った。
……しまった。何やってるんだ、私。
「一ノ瀬……か。うまくつけ込んだか。なかなかの策士だな」
「え? 策士……?」
「凛」
私の名前を呼ぶと、彼は片方の手を握り、向かい合わせになるように、私を引き寄せた。
そしていつもの優しい視線を、そっと落とす。
「凛、このまま君を連れて行くのは簡単だ。でも、心だけ置いてこられては困る。本当はもう、気づいてるんだろ?」