私の愛すべき人~その別れに、愛を添えて~
「なんでいるのよ」
喜びと少しばかり戸惑い、そしてどうしようもないほどの安堵が混じり合った、震える声。
私がもう一度ゆっくりと歩き出すと、彼も立ち上がり、私の方へと近づいてきた。
「それはこっちの台詞。大阪は?」
彼の声もいつもと違って、戸惑いの色が滲んでいる。
「いかなかった」
「は? なんで」
彼の整えられた眉が、理解できないというようにぐっと寄せられる。そのあまりに素直な反応に、私の胸がきゅっと、愛おしさで満たされた。
「あんたが好きだって気づいたから……」
涙の膜が張った瞳で、彼のことをまっすぐに見つめ続ける。
私のあまりに唐突な告白に、彼の時間は完全に止まってしまったようだった。