私の愛すべき人~その別れに、愛を添えて~
自然と背筋が伸びる。
涼介にいたっては、ハンドルを握る指がわずかに緊張しているように見えた。
やはり、聞こえていたんだ。
「えっと……実はね」
私は動揺を押し殺し、以前一ノ瀬から聞いた噂話を正直に話した。
銀座で腕を組んで歩いている涼介と女性を見たという話、そして、それが原因で私が「既婚者疑惑」を抱いていたこと。
言い終えると形容しがたいため息が落ちた。すると、涼介が前を見据えたままボソッとつぶやいた。
「そうか……。そんな風に思わせてしまって、ごめん」
彼の表情は、申し訳なさと少しの苦笑いが混じっていた。そしてゆっくりと、諭すように話を続けた。
「銀座で一緒にいた女性は、二年ほど付き合っていた元カノだ」
元カノ……。
彼の口からその言葉が飛び出してきて、少しショックな自分がいる。
それは元カノがいたからではない。涼介について知らないことばかりで、そのことが寂しいと咄嗟に思ったからだ。
「黙ってて悪かった。でも決して凛と二股とか、付き合っている時期と重なっているとかはないから、そこは信じてほしい」
淀みない彼の言葉には、一切の迷いがなかった。まっすぐな瞳、そして真剣な声。
この人は、嘘をつくような人じゃない。それはこの短期間でよくわかった。虫も殺せない、お人好しすぎるくらい良い人。
涼介にいたっては、ハンドルを握る指がわずかに緊張しているように見えた。
やはり、聞こえていたんだ。
「えっと……実はね」
私は動揺を押し殺し、以前一ノ瀬から聞いた噂話を正直に話した。
銀座で腕を組んで歩いている涼介と女性を見たという話、そして、それが原因で私が「既婚者疑惑」を抱いていたこと。
言い終えると形容しがたいため息が落ちた。すると、涼介が前を見据えたままボソッとつぶやいた。
「そうか……。そんな風に思わせてしまって、ごめん」
彼の表情は、申し訳なさと少しの苦笑いが混じっていた。そしてゆっくりと、諭すように話を続けた。
「銀座で一緒にいた女性は、二年ほど付き合っていた元カノだ」
元カノ……。
彼の口からその言葉が飛び出してきて、少しショックな自分がいる。
それは元カノがいたからではない。涼介について知らないことばかりで、そのことが寂しいと咄嗟に思ったからだ。
「黙ってて悪かった。でも決して凛と二股とか、付き合っている時期と重なっているとかはないから、そこは信じてほしい」
淀みない彼の言葉には、一切の迷いがなかった。まっすぐな瞳、そして真剣な声。
この人は、嘘をつくような人じゃない。それはこの短期間でよくわかった。虫も殺せない、お人好しすぎるくらい良い人。