私の愛すべき人~その別れに、愛を添えて~
足元に視線を落とすと太陽の光を反射し、きらきらと光るものが散らばっていた。
「あ、貝殻」
身をかがめ、その中から一つ、ひときわ綺麗なものを見つけ拾い上げる。掌に乗せると、それは儚げな薄ピンク色をしていた。
その直後、背後からザクッ、ザクッと砂を踏む足音が近づいてくる。 気づけば、貝殻を見つめる私を、涼介がすぐ後ろから見下ろしていた。
「何拾ってるの?」
「貝殻だよ。見て、薄ピンクですごく可愛い」
覗き込む彼に、宝物を見せるように貝殻を近づける。すると彼は、そっと私の手からそれを取り上げた。
「これが可愛いの?」
彼はまるで価値の分からない石ころでも見るかのように、二本の指で貝殻をつまみ、呆れたように眉を寄せている。
「可愛いじゃん。今日の記念に持って帰る」
「凛らしいな。俺には、よくわかんないや」
「思い出だよ、思い出」
私は少しむきになるようにそう言うと、彼の手から貝殻を取り返した。
くるりと背を向け、今日のこの小さな思い出がこぼれ落ちないように、スカートのポケットにそっとしまう。
付き合い始めたばかりのとき、涼介といつか海に行こうと約束していた。今日で最後になるような気がしている私は、涼介に無理を言って、連れてきてもらったのだ。
「少し、向こうまで歩こうか」
「あ、貝殻」
身をかがめ、その中から一つ、ひときわ綺麗なものを見つけ拾い上げる。掌に乗せると、それは儚げな薄ピンク色をしていた。
その直後、背後からザクッ、ザクッと砂を踏む足音が近づいてくる。 気づけば、貝殻を見つめる私を、涼介がすぐ後ろから見下ろしていた。
「何拾ってるの?」
「貝殻だよ。見て、薄ピンクですごく可愛い」
覗き込む彼に、宝物を見せるように貝殻を近づける。すると彼は、そっと私の手からそれを取り上げた。
「これが可愛いの?」
彼はまるで価値の分からない石ころでも見るかのように、二本の指で貝殻をつまみ、呆れたように眉を寄せている。
「可愛いじゃん。今日の記念に持って帰る」
「凛らしいな。俺には、よくわかんないや」
「思い出だよ、思い出」
私は少しむきになるようにそう言うと、彼の手から貝殻を取り返した。
くるりと背を向け、今日のこの小さな思い出がこぼれ落ちないように、スカートのポケットにそっとしまう。
付き合い始めたばかりのとき、涼介といつか海に行こうと約束していた。今日で最後になるような気がしている私は、涼介に無理を言って、連れてきてもらったのだ。
「少し、向こうまで歩こうか」