私の愛すべき人~その別れに、愛を添えて~
子供をあやすように、何度も「えらい」と繰り返してくれる。

自分を責めるしかなかった私にとって、菜穂のその真っ直ぐな言葉は、何よりも心強い肯定だった。せき止めていた涙が、また後から後から溢れ出してくる。

菜穂はそんな私の背中をただ黙って、力強くさすり続けてくれた。自分のことのように怒ってくれる彼女の存在が、ありがたかった。
「よし、女子会の始まりじゃ! 今夜はヤケ食いして、泣いて、あいつの悪口言って忘れよう!」

そう言って、菜穂はアイスの蓋を勢いよく開けた。

私たちはソファの上で体育座りをしながら、スプーンでアイスを直接すくって口に運ぶ。甘くて冷たいバニラアイスが、涙でしょっぱい口の中にじんわりと溶けていった。

「菜穂、ありがとう」
「何言ってんの。親友でしょ? うちら」

そのいつもと変わらないぶっきらぼうな口調が、今は何よりも心強い。隣に座る菜穂の肩にそっと頭を預けると、彼女の体温がじんわりと私の心まで温めてくれた。

テーブルの上には、ティッシュのゴミが山のように積みあがっている。

この夜が明けても、私の悲しみが消えるわけじゃない。だけど、少なくとも今この瞬間、私は一人じゃなかった。
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