(短編・全紹介)紫貴折々
オススメ3【のほほんDE クラッシュ!?】ファン限定短編
本編抜粋『各作品の紹介で抜粋したセリフのある一場面』
登場人物:緩 飛世(ゆるや ひよ)・和水 静春(なごみ しずはる)
傘をクルクル……私の回す動きを、彼の片手が止めました。
……?あ、もしかして。
「水が当たりましたか?ごめんなさい!」
焦る私に微笑みます。
みんなに見せる笑顔ではなく……
切れ長の目のままで私を見つめ、口元だけの笑み。
「くすっ。動かないで……俺が好きになったのは、この傘じゃない時だよ。携帯用の小さな傘。落ちた滴が、背中を濡らして。見えたのは、俺の知らない世界……君が誘ったのは、今までにない感情。ねえ……どこまで、俺を突き落すの?くすす……俺が連れて行くのは……君の知らない俺の闇……」
見つめる視線が怖くて、瞬きを忘れます。
私の手に触れる彼の手は、痛くはないけど力が強い。
彼は、首を傾げ……
「伝わらないか。」
そう呟き、もう片方の手を私の背中に回しました。
そっと、なぞるような指が熱を伝えます。
「ひゃぁ?」
急に、胸元を流れる風……両肩を滑るヒモ。
うそっ!?ブラ…ホックが外れていますか?
慌てて、傘を持つ手を胸に移動させた。
【ふよよ~ん】
慌てて自分の胸を押さえ、同時に。
私の手を握ったままの彼の手が、すぐそこに。
あれ、これ私の胸に触れているよーな?
私の傘は、和水くんの傘に持ち上げられている。
目の前に、彼の制服の胸の部分。
背中には、彼の大きな手。
……のほっほ?
「飛世……俺を見て?」
耳元で、低い声の囁き。
彼の、熱のこもった息がかかる。
「見えません。和水くん、放してください。」
私から、そっと離れた和水くんは爽やかな笑顔。
そして、切れ長の目にゆっくり戻る。口元には笑みはない。
【ドクドク…】
脈打つのは、何故だろう?
見て?和水くんは、私に何を見て欲しいのかな?
じっと見つめる私に、声を発することなく……
口をゆっくり動かしていく。
『 ス 』
『 キ 』
…………
……
‐ 思考停止 ‐
「飛世、良い匂いだね。これ以上は、我慢が出来ないかな?ごめんね……」
その謝る時の笑顔は、口元だけ。
鋭い瞳の輝きで……突き刺すように私を見ていた。
のほほ……ん
登場人物:緩 飛世(ゆるや ひよ)・和水 静春(なごみ しずはる)
傘をクルクル……私の回す動きを、彼の片手が止めました。
……?あ、もしかして。
「水が当たりましたか?ごめんなさい!」
焦る私に微笑みます。
みんなに見せる笑顔ではなく……
切れ長の目のままで私を見つめ、口元だけの笑み。
「くすっ。動かないで……俺が好きになったのは、この傘じゃない時だよ。携帯用の小さな傘。落ちた滴が、背中を濡らして。見えたのは、俺の知らない世界……君が誘ったのは、今までにない感情。ねえ……どこまで、俺を突き落すの?くすす……俺が連れて行くのは……君の知らない俺の闇……」
見つめる視線が怖くて、瞬きを忘れます。
私の手に触れる彼の手は、痛くはないけど力が強い。
彼は、首を傾げ……
「伝わらないか。」
そう呟き、もう片方の手を私の背中に回しました。
そっと、なぞるような指が熱を伝えます。
「ひゃぁ?」
急に、胸元を流れる風……両肩を滑るヒモ。
うそっ!?ブラ…ホックが外れていますか?
慌てて、傘を持つ手を胸に移動させた。
【ふよよ~ん】
慌てて自分の胸を押さえ、同時に。
私の手を握ったままの彼の手が、すぐそこに。
あれ、これ私の胸に触れているよーな?
私の傘は、和水くんの傘に持ち上げられている。
目の前に、彼の制服の胸の部分。
背中には、彼の大きな手。
……のほっほ?
「飛世……俺を見て?」
耳元で、低い声の囁き。
彼の、熱のこもった息がかかる。
「見えません。和水くん、放してください。」
私から、そっと離れた和水くんは爽やかな笑顔。
そして、切れ長の目にゆっくり戻る。口元には笑みはない。
【ドクドク…】
脈打つのは、何故だろう?
見て?和水くんは、私に何を見て欲しいのかな?
じっと見つめる私に、声を発することなく……
口をゆっくり動かしていく。
『 ス 』
『 キ 』
…………
……
‐ 思考停止 ‐
「飛世、良い匂いだね。これ以上は、我慢が出来ないかな?ごめんね……」
その謝る時の笑顔は、口元だけ。
鋭い瞳の輝きで……突き刺すように私を見ていた。
のほほ……ん