魔族の王子の進む道 〜俺様王子が魔王になるまで〜
 それを聞くとゼラは、いつもと変わらぬ無邪気な笑顔で彼に言った。

「じゃあ、いつか弟王子様に会いに行きましょう〜!人間になったお祝いを言いに!!一生懸命探せば、きっと王子様なら会えます!!それで、謝りたいことがあるなら、それもしましょう!!ね、王子様!!」

「……。」

 きっとその通りにすれば、今までの過ちが正せる、そんな気がした。
 そしてゼラの言葉が、重かった彼の気分を軽くしたことに気が付いた。

「……そうだな。それに早く、奴のことを皆に伝えなくてはな……」


 魔力が強いため、第二王子よりも背負わされるものは多かった。

 不器用さもあるため、王家の者たるもの気品高く居なくては、と、弟を心配していることを上手く表すことも出来ず、内心では葛藤していた。

 両親も魔力尽きて亡くなり、これからは忙しくなる。誰も頼らず、誰にも相談しなかった為、全て独りで抱え込んで。
 これからはせめて心の支えがいるであろうという時だった。

「……お前の大切なものを、私は奪うところだった。お前と、あの“人間の娘”に、いつか謝りに行く事が出来るだろうか……」

 のどかな集落と呑気な娘を遠目に見ながら、彼は去って行った弟に想いを馳せた。
< 42 / 47 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop