君のとなりで、恋をする
──練習後。


むせるような熱気の中、私は重いボールかごを押していた。

腕が震えて、今にも落としそうで。


「偉いね。ほんと助かってるよ」


振り向くと、美月先輩が笑っていた。


「私も最初全然できなかったよ。ボールかご重いし、流れも分かんなくてさ」

「……え?」

「だから、少しずつ覚えれば大丈夫。ちゃんと頑張ってるの見てるから」


その言葉がまっすぐ届いて、不安がふっと軽くなる。

見上げた先輩の笑顔は明るいのに、ちゃんと一人の後輩として私を見てくれていた。


「……はい」


小さな声しか出なかったけれど、胸の内側に温度が広がった。


(この人みたいになりたい)


ボールかごの重さが、さっきより少しだけ軽い。


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