君のとなりで、恋をする
──そのとき。


コートの端にいる、結城先輩の視線に気づいた。

無言のまま、こちらを見ている。

視線が絡みそうになった一瞬、時間が止まったように感じた。

慌てて目をそらしたのに、頬の熱は下がらない。

胸の奥がじわりと熱を帯び、指先まで痺れるようだった。


(どうして……こんなに意識してるの?)


大和くんと笑い合っていたことなんて、もう頭から消えていた。

残っているのは、結城先輩の静かな眼差しだけ。

ただ見られただけなのに、心臓が痛いほど鳴っている。


(気のせい? でも、今の視線は――)


ほんの一瞬の出来事なのに、胸の奥に波紋が広がっていく。

そのざわめきの理由を、自分でもまだ言葉にできなかった。






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