君のとなりで、恋をする
座るとすぐに、大和くんはいつもの調子で世話を焼いてきた。


「それ、取ってあげよっか?」

「え、いいよ。自分でできるから」

「遠慮すんなって。俺の方が手ぇ長いんだから」


あっけらかんと皿を取ってくれる。

その自然さが羨ましかった。私には真似できない気安さ。


「なあ、一口ちょうだい……って冗談冗談!」

「もう、大和くん!」


思わず笑ってしまう。

くだらないことを言って場を明るくするのは得意で、にぎやかすぎるところもあるけれど――困っているときには必ず気づいて助けてくれる。


(ほんと、いい人だな……)


そう思うと、不思議と肩の力が抜けた。

安心感に包まれて、ほんの少しだけ食堂の喧騒がやわらいで聞こえる。


「大和くん、ほんとお世話焼きだね」

「そりゃそうだろ。翠ちゃんだからな」

「……え?」


一瞬意味がわからず首をかしげる。

けれど大和くんは「なーんでもない」と笑ってご飯をかきこんでしまった。

その自然さに、なんとなくそれ以上は聞けなかった。





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