君のとなりで、恋をする
──数日後、入部初日。


一年生が並び、自己紹介が始まる。


「長谷川翠です。よろしくお願いします」


声は少し震えたが、前に届いた気がした。

いくつかの頷きに、胸の渦が一瞬おとなしくなる。

顧問の紹介をはさみ、上級生へ。


結城煌大(ゆうきこうだい)です。二年。ガードです。よろしくお願いします」


その声で、全身に電流が走る。


──あの時の人だ。


校門で私を支えた先輩。

名前と顔と声が、ようやく一つに結びつく。

眩しい笑顔と、今の落ち着いた声色が、同じ線上に並んだ。


(どうしよう……)


胸の奥がざわつき、次の自己紹介が遠くなる。

何かできるわけではないのに、世界の輪郭が少し鮮やかになった。







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