君のとなりで、恋をする
この日は導線を覚えるだけ。

私は体育館の隅で先輩マネージャーの動きを目で追った。

ボトル台の並び、キャップの向き、ラベルの正面。

意味があるかは分からない。

ただ、手を動かしていたい。

止まると考えが増えるから。

シュート音、笛、汗に混ざるスポーツドリンクの甘さ。

五感が埋まっていくほど、教室で感じた「自分だけ異物」の感じが薄れていく。


(私にも、できるかな)


萌はもう先輩たちと笑い合っている。

置いていかれたわけじゃない。

私の歩幅が、ただ小さいだけ。





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