君のとなりで、恋をする
「なに書いてんの?」


顔を上げれば、結城先輩。

汗を拭いながら、自然な動きでスコア表を覗き込む。

近い。

思ったよりずっと近くて、息が止まりそうになる。


「す、スコアの練習してて……」

「ああ、なるほど。……字、ちっちぇーな」

「えっ!? ……やっぱり小さいですか?」


真っ赤になって答えると、彼はほんの少しだけ口元をゆるめて、小さく微笑んだ。


「いや、長谷川らしい。いい」

(私らしい……? 今、そう言った……?)


胸が跳ねて、呼吸が浅くなる。

距離が近すぎて、顔が熱い。

視線を落としてごまかそうとしても、斜め上からの気配が消えない。


「……ちゃんと追えてる。マジで」


不意に優しい声。

視線が合った瞬間、全身が固まった。

何か言わなきゃいけないのに、喉がきゅっと詰まって言葉にならない。
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