君のとなりで、恋をする
2話 名前を呼ばれた日
──放課後の部室。
「ねえ、今日の水、お願いしていい?」
部室に入った瞬間、萌が当然のようにペットボトルを私に押しつけてきた。
まだキャップすら開けていない新品のボトル。
冷気が指先に伝わる。
「うん、わかった」
反射的に答えてしまう。
本当は「一緒にやろうよ」と言いたいのに、声が喉で丸まって消えていく。
断れない。
そういう性格だと、自分でもわかっている。
入部してまだ数日。
私たち一年の仕事は、タオルを並べたり水を用意したり、練習の補助ばかり。
覚えることは多いけれど、やること自体は難しくない。
最初は、萌と一緒に動こうって話していたはずなのに――。
気づけば、彼女は先輩たちと談笑したり、練習を横目にスマホをいじったりしていることが増えていた。
その間に自然と、水を入れるのも、タイマーを押すのも、雑巾を用意するのも・・・。
ぜんぶ、私の役目になっていた。
(・・・まあ、いい。私にできることなら)
小さく息を吐いて、言葉にならないため息を飲み込む。
手にしたペットボトルを抱えて、体育館へ向かった。
⸻
「ねえ、今日の水、お願いしていい?」
部室に入った瞬間、萌が当然のようにペットボトルを私に押しつけてきた。
まだキャップすら開けていない新品のボトル。
冷気が指先に伝わる。
「うん、わかった」
反射的に答えてしまう。
本当は「一緒にやろうよ」と言いたいのに、声が喉で丸まって消えていく。
断れない。
そういう性格だと、自分でもわかっている。
入部してまだ数日。
私たち一年の仕事は、タオルを並べたり水を用意したり、練習の補助ばかり。
覚えることは多いけれど、やること自体は難しくない。
最初は、萌と一緒に動こうって話していたはずなのに――。
気づけば、彼女は先輩たちと談笑したり、練習を横目にスマホをいじったりしていることが増えていた。
その間に自然と、水を入れるのも、タイマーを押すのも、雑巾を用意するのも・・・。
ぜんぶ、私の役目になっていた。
(・・・まあ、いい。私にできることなら)
小さく息を吐いて、言葉にならないため息を飲み込む。
手にしたペットボトルを抱えて、体育館へ向かった。
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