続・幼なじみの不器用な愛し方
「仕事どう? 順調?」

「ぼちぼちですね。先週は締切直前で死んでた」

「うん、目が血走ってました」


わたしが補足して言うと、様が想像出来たのか明海さんがおかしそうに笑う。


「締切前の智くん、更に怖い顔になるもんね。美月ちゃん、怖かったでしょう」

「一瞬ドキッとしましたね。怒らせちゃったかと思って」

「……そうなるんわかってたから、初めに締切間近って伝えたやんか」


分が悪いと判断したのか、かすかに唇を尖らせた石田さんは反論しつつもそっぽを向いた。

そんな彼を見て、明海さんがまた笑う。


40代に見える明海さんは、実際には還暦を意識し始める年頃らしく、石田さんとの関係は親子のようにも歳の離れた姉弟のように見える。

2人が知り合ったきっかけや関係性は知らないけれど、飄々としていて掴みどころがなく、風が吹けばどこかへ飛んで行ってしまいそうな石田さんのことが、明海さんはほっとけないんだとわたしは思う。

明海さんの旦那さんとも知り合いで、たまに飲みに行ってきたという話も聞かせてくれるので、ご夫妻公認の弟のようなポジションなのではないかと勝手に思ってるんだ。
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