続・幼なじみの不器用な愛し方
イメージ通りでも、想像と違っても、一生大切に呼び続けられる自信があるよ。

絶対、わたしにとっても特別な名前になる。


『……わかった。考えとくよ』

「よろしくね」


楽しみがまたひとつ。

初めての出産に育児に、不安もたくさんだけど、幸せなことがそれを覆ってくれる。

もう、怖いことなんて何もなかった。




入院中、色んな人が会いに来てくれた。

地元から両親が来てくれたり、義理の親子となった有斗の両親が来てくれたり、宮水達や結子達が来てくれたり。

明美さんも、石田さんを引き連れて来てくれた。


わたしの入院のお供はもっぱら石田さんにいただいた彼の作品で、読み終わった作品の感想をマシンガンのように放ってしまったわたしに、石田さんは顔を盛大に顰めた。

けれどその耳は少し赤らんでいて、明美さんはその様子をニヤニヤと眺めていて。


もしかして、自分が書いた作品の感想を面と向かって言われるって、すっごく恥ずかしいのかも……!?

そう思って申し訳なくなったけど、不条理な世界の中でもがく人々を等身大で描いていた石田さんの作品は、本当にほんとうに素敵だったんだ。




病室のベッドの上で石田さんからいただいた6冊を全て読み終える頃、35週を迎えた。
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