続・幼なじみの不器用な愛し方
「来週、安定してたら退院しても大丈夫って!」


今日の診察で先生に言われたことを伝えると、電話の向こうの有斗がぱっと表情を明るくした。


『よかった。来週って、何日?』

「えっとねー、28日かな」


ちょうど36週になる日だ。

早産という括りから外れる37週が、ようやく見えてきた。


『28なら、ワンチャンそっち行けるかも』

「えっ、ほんと?」

『うん。朝から収録あるけどその後は確か何もなかったはずだから、終わり次第向かうよ。元々、29にそっち行こうと思ってたし』

「やった。じゃあ、久しぶりに会えるね」


入院後、有斗と会うのは二度目だ。

前回も忙しい合間を縫って来てくれた。


「……ごめんね。移動で、だいぶ有斗に負担かけちゃうね」


入院期間が長引き、当初予定していた東京での出産は難しくなってしまった。

退院と言っても無茶はできず、石田さんのご厚意で部屋は引き続き使ってもいいと言ってくれたので、退院後もこっちで過ごす予定だ。

近藤さんもかなり配慮してスケジュールを調整してくれたけれど、いかんせん全てが急だったために動かせない仕事も多く、その合間を縫って会いに来ようとしてくれる有斗にはかなりの負担を強いてしまっている。
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