続・幼なじみの不器用な愛し方
「まめは……?」

「今ね、助産師さんが連れてってくれてて。もうすぐ戻ってくると思うよ」


お父さんとお母さんも、今は外にご飯を食べに行っていて不在だ。

有斗のパパとママも到着までにもう少し時間がかかるらしいので、1人体を休めていたところだった。


「有斗? 座りなよ。椅子、ベッドの下にあるよ」

「え……あ、うん。そうだな」


椅子に座っても落ち着かない様子の有斗。

よく見ると彼の服装は仕事に向かう時のラフなものではなく綺麗めのセットアップで、収録後着替えることなくスタジオを飛び出してきたことが伺えた。


「有斗もハードだったね。お疲れさま」

「いや、俺は……」

「ヤキモキしながらの収録になっちゃったでしょ? 平気だった?」

「平気なわけねーじゃん。もちろんちゃんとするけど、内心はそれどころじゃなかった」


ゆっくりと体を起こし、談笑していると、扉がノックされた。有斗の表情に緊張が走る。

応答すると扉がガラガラと開かれ、小さいベッドを助産師さんが運んできた。


囲いが透明な、小さなちいさなベッド。

その中で、生まれたばかりのまめちゃんがおくるみに包まれて微かに動いている。


「……っ」


息を呑む気配がしてちらりと有斗を見やると、目を大きく開いたまま、まめちゃんを真っ直ぐに見据えていた。
< 212 / 220 >

この作品をシェア

pagetop