続・幼なじみの不器用な愛し方
「今、音も聞こえるようにするからね」


白黒の映像が少し小さくなり、ジグザグのグラフのようなものがモニターの下部に表示される。

なんだか、スマホのボイスメモ機能を使うときに出てくるグラフみたいだなぁ。


そんなことをぼんやりと思ったのも束の間──トゥクトゥクと、規則的なリズムを刻む音が聞こえてきた。

それはとても小さく、でも力強く、わたしが知る鼓動と同じようなテンポだった。

小さな命は、わたしのお腹の中で、わたし達と同じように生きているのだと──意識するよりも早く、目の奥がぐっと熱くなった。


あぁ……本当にいるんだ、ここに──。


「……っ」


自覚した瞬間、色んな感情が頭の中を駆け巡った。


同棲ですら見送ったのに、いきなり子ども……?

けど、この子はわたしのお腹で、今この瞬間も成長してるんだ……。

つけていたって100%じゃないことはわかっているつもりだったけど、でも、まさか自分の身に起こるだなんて……。

だけど、こんなに小さな命を、切り捨てることなんて出来るの……?


取り留めなく、四方八方から。湯水のように溢れる思考は、涙となって外の世界にこぼれ出る。


この子の父親は、有斗以外にはありえない。

うまくいっている普通のカップルなら、報告して、結婚……という流れになるのかもしれない。
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