続・幼なじみの不器用な愛し方
最後の気力を振り絞って、何とか家に帰り着く。

いつもは必ずお風呂に入ってから入るベッドに、帰ってきた服のままダイブした。


「……っ」


朝よりはマシだけど、胃の気持ち悪さは相変わらずだ。

お腹に赤ちゃんがいることを知って初めて、最近の心身の不調や強烈な眠気が悪阻のせいだったことを理解する。

今はまだギリギリ、表面上は普通の生活を送れている。けど、これがもっと酷くなったら……。

一緒に住んでいる両親は、わたしが妊娠していることに気が付くかもしれない。

そうなると、父親は必然的に有斗ということになる。


「……」


ベッドに放り投げていたスマホを取り上げて画面をタップするも、新着通知はなかった。有斗からの連絡は来ていない。

当然だ。昨日、あんなふうに電話を切ったんだもん。

呆れてるかもしれない。怒ってるかもしれない。そもそも、忙しくて、わたしのことなんて考える余裕なんてないかも。


どんどん、思考が悪いほうへと流れていく。

さっき調べて知った。悪阻の症状の中には、心理的不安も含まれるらしい。
< 49 / 135 >

この作品をシェア

pagetop