空色の春
そんなことを考えていたら。


「唯莉ー!体育行くよー!」

千花ちゃんが呼びかけてきた。


「ああ、…うん。」


元気なく答える私。

体育…バスケか。

……?

あれ…?なんで私…

なんで私、こんなに楽しみなんだ……?

バスケだよ?体育だよ?

あなたの嫌いな科目No.1だよ?

千花ちゃんを急いで追いかけながら、

暑くなった春の風を感じる。


…何か、


大切なものを、忘れている気がする。


ーーーーーーー。。。。。ーーーーーーーー


体育の授業。

始まって15分。

千花ちゃんとパス練中。


「千花ちゃん!はいっ!」

「唯莉ー!」

千花ちゃんが私にとっての豪速球を投げてくる。

…あ、これは、やばい

ボールとの距離がドンドン縮まっていく。

スカ、ッ!

テンテンテンテン…

私の後ろに転がるボール。

受け止めようと、伸ばした手が虚しく風を切った。

「うう、ごめん!取ってくるね」

ぺこぺこ頭を下げると、「もう、唯莉ー」なんて言いながらも、親指を立ててグッドのポーズをしている千花ちゃん。

自分のコートを後にしてボールを探していると、それらしきものを見つける。

手を伸ばして、拾おうとするとーー


「水月?」


目の前にいる、誰かによってそれを阻止された。
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