I 編む
「すみません、いきなり集まってもらって」
席に着くと、聡が口火を切った。
聡と明日美が並んで座り、向かいに陽太さんと梢さんがかけている。
聡は顔を向かいの梢さんに据えて、口の動きが伝わるように、気持ちいつもよりはっきりと発音している様子だ。
おや、と思う。
聴覚障害者への対応がずいぶんと板に付いているではないか。
聡がパソコンを立ち上げる。音声で様子を把握して、陽太さんも自分のパソコンを起動した。
陽太さんのパソコンにはイヤホンが接続され、キーボードは通常タイプと点字キーボードを必要に応じて使い分けている。
「今日お呼びしたのは、伝えたいことがあって。『∮』のソースコードを組み直して、音声読み上げソフトに対応できるようにできたんです」
えっ、と驚きが一座にもたらされる。
会社のレポーティングツールである『∮』が音声読み上げソフトを拒むことが、陽太さんに立ちはだかる壁なのだ。
「本当ですか? そんなことが」
陽太さんが半信半疑に問いかける。
「確認したから間違いないはずです」
聡がにこりとする。
席に着くと、聡が口火を切った。
聡と明日美が並んで座り、向かいに陽太さんと梢さんがかけている。
聡は顔を向かいの梢さんに据えて、口の動きが伝わるように、気持ちいつもよりはっきりと発音している様子だ。
おや、と思う。
聴覚障害者への対応がずいぶんと板に付いているではないか。
聡がパソコンを立ち上げる。音声で様子を把握して、陽太さんも自分のパソコンを起動した。
陽太さんのパソコンにはイヤホンが接続され、キーボードは通常タイプと点字キーボードを必要に応じて使い分けている。
「今日お呼びしたのは、伝えたいことがあって。『∮』のソースコードを組み直して、音声読み上げソフトに対応できるようにできたんです」
えっ、と驚きが一座にもたらされる。
会社のレポーティングツールである『∮』が音声読み上げソフトを拒むことが、陽太さんに立ちはだかる壁なのだ。
「本当ですか? そんなことが」
陽太さんが半信半疑に問いかける。
「確認したから間違いないはずです」
聡がにこりとする。