【第一部完結】転生幼魔女は生き延びたい!~唯一無二の力はナイショだよ〜
『第一、星露草がどこにあるのかも分からないのだもの。あとは大人に任せて、無事に事が収まるのを祈りましょう。大丈夫よ。王国の優秀な薬師がきっと星露草に代わる薬の材料を見つけるわ』
(そう、だね……)
素直に相槌を打ったものの、セレスティアの胸の内にわだかまる不安は消えなかった。
星露草に代わる有効な薬材など、そう簡単に見つかるものではないと分かっているからだ。
薬の知識に長けた《緑の民》でさえ、長い時をかけてようやく編み出せた調薬法。
それを上回るものを、死骸虫が大量発生するまでの残り数ヶ月で作り出すのは現実的に考えて不可能だ。
蝗害に対抗する術が見つからなければ、また五年前のように多くの人が命を落とす……。
『ねぇ、セレスティア。ちょっと聞いてちょうだいな』
うつむき黙り込んでいると、椅子に座るセレスティアの顔をマリアベルがテーブルの上から覗き込むようにして語りかけてくる。
『たとえ前世を覚えていても、アナタはまだ三歳よ。見て見ぬふりできない、多くの人を助けたい、その気持ちはよーく分かるわ。だけどね、アタクシはアナタが心配なの。危険なことをして、傷ついてほしくないのよ』
(マリアベル……)
『お願いだから、自分が大人に守られるべき子供だということを、きちんと自覚してちょうだいな』
ただひたすらにセレスティアの身を案じ、心を鬼にして諭してくれるマリアベルの優しさが、まっすぐに伝わってくる。
我を通して彼女を困らせてはいけない──そう思ったセレスティアはコクリと頷いた。
(うん……分かった。心配してくれてありがとう、マリアベル)
『ふふっ、いいのよ。どういたしまして』
セレスティアは感謝の気持ちを込めて、目の前のふもふの身体を抱き締めた。
やわらかな毛並みを撫でるその手は、もみじのように小さい。
非力でか弱い、赤子同然の自分にできることなど、なにもない。
(分かってる。分かってる、けど……)
我が身の無力さに悔しさがこみ上げる。
唇を噛みしめ、ぎゅっと目をつぶって激情を堪えていると、不意に窓の方からコンコンと小さなノック音が聞こえてきた。
(そう、だね……)
素直に相槌を打ったものの、セレスティアの胸の内にわだかまる不安は消えなかった。
星露草に代わる有効な薬材など、そう簡単に見つかるものではないと分かっているからだ。
薬の知識に長けた《緑の民》でさえ、長い時をかけてようやく編み出せた調薬法。
それを上回るものを、死骸虫が大量発生するまでの残り数ヶ月で作り出すのは現実的に考えて不可能だ。
蝗害に対抗する術が見つからなければ、また五年前のように多くの人が命を落とす……。
『ねぇ、セレスティア。ちょっと聞いてちょうだいな』
うつむき黙り込んでいると、椅子に座るセレスティアの顔をマリアベルがテーブルの上から覗き込むようにして語りかけてくる。
『たとえ前世を覚えていても、アナタはまだ三歳よ。見て見ぬふりできない、多くの人を助けたい、その気持ちはよーく分かるわ。だけどね、アタクシはアナタが心配なの。危険なことをして、傷ついてほしくないのよ』
(マリアベル……)
『お願いだから、自分が大人に守られるべき子供だということを、きちんと自覚してちょうだいな』
ただひたすらにセレスティアの身を案じ、心を鬼にして諭してくれるマリアベルの優しさが、まっすぐに伝わってくる。
我を通して彼女を困らせてはいけない──そう思ったセレスティアはコクリと頷いた。
(うん……分かった。心配してくれてありがとう、マリアベル)
『ふふっ、いいのよ。どういたしまして』
セレスティアは感謝の気持ちを込めて、目の前のふもふの身体を抱き締めた。
やわらかな毛並みを撫でるその手は、もみじのように小さい。
非力でか弱い、赤子同然の自分にできることなど、なにもない。
(分かってる。分かってる、けど……)
我が身の無力さに悔しさがこみ上げる。
唇を噛みしめ、ぎゅっと目をつぶって激情を堪えていると、不意に窓の方からコンコンと小さなノック音が聞こえてきた。