野いちご源氏物語 四六 椎本(しいがもと)
(はち)(みや)様は一年中お心細いお暮らしだけれど、とくに春は日が長すぎて、ため息ばかりおつきになる。
時間を持て余せば持て余すほど、姫君(ひめぎみ)たちのことでお悩みになるの。
<ふたりとも成長するにつれてますます美しくなっていく。たいしたことのない姫たちならば、それほど()しいとも思わないだろうけれど>
大君(おおいぎみ)は二十五歳、中君(なかのきみ)は二十三歳。
当時の姫君としては、ご結婚の時期を(のが)してしまわれている。
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