野いちご源氏物語 四六 椎本(しいがもと)
薫(かおる)の君(きみ)は、八(はち)の宮(みや)様がお亡くなりになったことを聞いて残念にお思いになる。
<もう一度ゆっくりとお話ししたかったのに。いつだって世の中はこうだ。大切にしたい縁(えん)ほど儚(はかな)い>
と、ひどく泣いてしまわれる。

「あなたにお会いできるのもこれが最後かもしれない」
あの日の宮様のお言葉がよみがえる。
<人の命が儚いことをよくお分かりの方だったから、そういうつもりでおっしゃっただけだと思っていた。まさか本当に、お言葉どおりに亡くなってしまわれるとは>
何度もため息をおつきになって悲しまれる。
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