野いちご源氏物語 四六 椎本(しいがもと)
まだ(きり)が深い早朝に、急いで起きてお返事をお書きになった。
「私もあなた様たちとご一緒に泣いているつもりです」
とあるのを読んで、大君(おおいぎみ)はあまり()()まれたくないとお思いになる。

父宮(ちちみや)様だけを頼っていたころは安心して暮らせたけれど、他の男性は信用できるか分からない。生きながらえてしまっただけでなく、さらに男性と恋愛問題まで起こしたら、あれほどご心配なさっていた父宮様をあの世でもお苦しめすることになる>
恐ろしくて、もうお返事をなさらないの。
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