野いちご源氏物語 四六 椎本(しいがもと)
それから薫の君は、(はち)(みや)様が修行(しゅぎょう)なさっていたお部屋へお入りになった。
お部屋のあちこちにほこりが積もっているなかで、仏像だけが輝いていた。
<いつか私が出家(しゅっけ)したら、八の宮様のお弟子(でし)にしていただきたいとお願いしたのだった。『修行の道は(けわ)しい道ですよ』と頼もしそうにうなずいてくださった。私を厳しく温かく導いてくださるはずだった()は、もうどこにもいらっしゃらない>
柱にもたれて座っていらっしゃるお姿を、若い女房(にょうぼう)たちがうっとりと拝見している。
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