恋愛期間0。彼の毒はスイーツより甘かった。(仮)

「本当はもっと人物の動きにフォーカス当てたいんだけど」

 塩田の視線が私の手に来る。

「何よ」
「その指先、凶器みたいだもんな」
「悪かったわね」

 熱湯洗浄やアルコール消毒のせいで手が荒れまくっていたのだ。
 手袋の脱着が面倒なほど忙しかったのもあるが、ケアを怠ったのが一番大きい。

 それに比べて、塩田の手は本当に綺麗だ。
 指は白くて長いけど、節々はちゃんと男らしいし、指毛とかも見当たらない。理想の手だ。

「しゃぶりつきそうな勢いで見んなよ」
「はいっ?!」

 見すぎたのか、気持ち悪がられた。

「OKなら公開するぞ」「う、うん」

 いよいよユーチューバーデビュー。
 世間の反応は――



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