虐げられた私が姉の策略で結婚させられたら、スパダリ夫に溺愛され人生大逆転しました。
「カルマン公女との呼び方をされると、姉を想起する方が多いと思います。私のことはミリアとお呼びください」
私もカルマン公女だが、帝国でカルマン公女といえば姉だった。
私が社交界の出入りも最小限にしていたのに対し、着飾った姉はいつだって社交界の華だった。
「ではミリア、私のことはレナードと呼んでください。呼び捨てにしてくださって構いませんよ。夫婦になるのですから」
レナードは顔だけでなく、とんでもなく声も良かった。
私はその声で名前を呼ばれることにゾクっとしてしまった。
なんだろう、彼との縁を切るつもりなのにサイラスを裏切っている気持ちになり苦しい。
「待ってください、呼び捨ては早いです。レナード様」
私は名前を呼ばれただけで、彼に心を侵食される気がして距離をとるために「様呼び」を提案した。
「では、ミリア、慣れたら私をレナードと呼んでくださいね」
彼も「ミリア様」と呼び直してくれると思ったのに、呼び捨てにされてしまった。
なんだか、彼に呼ばれる度にクラクラしてくる。
寝不足のせいだろうか、私はちらりと父の方をみた。
「もう、ミリアは君に夢中のようだ。お邪魔なようだから、あとは若い2人で仲を深めなさい」
父はご満悦な顔をして席を外した。