虐げられた私が姉の策略で結婚させられたら、スパダリ夫に溺愛され人生大逆転しました。


確かに通例のように優秀な下位貴族を教育係にするのではなく、公爵である父自らが教育係をした皇子となると周りの見方は違ってくるかもしれない。

今現在でさえ、我が公爵家は皇家と対等に近い力を持っている。

やはり姉は怖い女だ、何も見えてないワガママ娘は演技なのかと思う時がある。

「ミリアはアーデン侯爵と結婚させて、娘を産ませましょう。それで、私の息子のサポートをさせるの」
一瞬、姉の言葉に私の時が止まった。
手が怒りと恐れで震えだす。

私は公爵になるために必死に勉強をしてきた。
4年付き合っている恋人だっている。

帝国最初の女公爵になることが私の目標で、恋人のサイラスとは身分差があれど添い遂げたいと思っている。

こんな姉の思いつきのようなワガママで全てを奪われたくはない。

「ミリアはカルマン公爵家の跡継ぎだ。嫁がせることは考えていない」

父がはっきりと言った言葉に震えが止まった。
また、父が姉の思い通りになるよう私を動かすのではと恐怖していたからだ。

「最近はお茶をしても、みんなアーデン侯爵の話ばかりなのよ。彼ってカッコ良くて、お金持ちなの。お金持ちってことは仕事ができるのよ。アーデン侯爵の子なら美形な上に賢くて、私の子を支えてくれるわ」

姉は私に美形で仕事ができる娘を産ませて、皇帝になる自分の子供をサポートさせるという企みのようだ。

アーデン侯爵と言えば金髪碧眼の王子様のようなルックスで、貴族令嬢はいつも彼の話をしていた。

いつも女性に囲まれてモテモテのように見えるが、恋人はいないのだろうか。
私より2歳年上の彼をアカデミーで見かけたことがあるが、いつも人に囲まれていて会話をしたことはなかった。

「待ってください。私は男性ばかりのアカデミーで3年も後継者教育を受けていました。足りないところがあれば努力します。どうか女公爵として仕事をさせてください」

私は昔見かけたアーデン侯爵を思い出していたが、今やるべきことに気がつき公爵として仕事をさせてくれるように主張した。

私がどれほど公爵になるために努力してきたことか、その努力が今水の泡になろうとしているのだ。

「ミリア、いい加減大人になってよ。私は帝国の未来の話をしているの、個人の努力なんてどうでもいいことよ」

姉の容赦ない言葉に涙が出そうになった。
帝国貴族は人前で涙を見せてはいけないので必死に耐える。
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