渋谷少女A続編・山倉タクシー
鬼畜の所業
畔の場所は今住むこのアパートのすぐ近く辺りと思われる。そう判る分けは私が普段からその辺りに行って少しでも眠りを貪ろうとしていたからだが、無論それは隣のド畜生アベックどもの苛みを少しでも軽減しようとしてのことである。ま、それはともかく、夢の中の隅田川の川面には普段滅多に出ない靄(もや)が一面にかかっていて、堤の景色もぼんやりとしていた。しかしその中から大人の男と幼女の声と思しき、何かを言い争うような、緊迫した会話が聞こえて来た。
「けっ、明美。まったくお前もしょうがねえな。受け元の家で喘息など起こしやがって。ちぇっ。これじゃもうどうしようもねえ…可哀想だが此処で始末してやるからな」「いや!やめて!おじちゃん、ごめんなさい、ごめんなさい!」「うるせえ!」続けて幼女が必死に抗っているような声と身の動きが感じられたが、それも空しく男が幼女を川に投げ込んだような水音が立つ。『ううっ…止めろ!止めろーっ!』夢の中で私は両の拳を握りしめ大声を発して2人のもとに駆け寄ろうとしている。しかし金縛りに会ったようにその声が出ず、身体もまったく動かない。靄の中から水面をかき混ぜる音が立ち、このド畜生男にではなく、誰か別の人間を呼ぶような悲鳴に近い少女の声が伝わって来た。「おじちゃーん!おじちゃーん!助けてー!」それでも動けない私の身体…私はもどかしさの余り気も狂いそうだ!しかしそのような慙愧に堪えず狂おしい状態を解き、行動に導く、何者か別人の声が私の胸の底から伝わって来た。「田中さん、田中さん!来て!行ってあげて!」と私を呼んでいる。A子だった。『ううっ、A子、いま…いま行く…』と身悶えするうちにようやく目が覚めた。現実にもどった。
「けっ、明美。まったくお前もしょうがねえな。受け元の家で喘息など起こしやがって。ちぇっ。これじゃもうどうしようもねえ…可哀想だが此処で始末してやるからな」「いや!やめて!おじちゃん、ごめんなさい、ごめんなさい!」「うるせえ!」続けて幼女が必死に抗っているような声と身の動きが感じられたが、それも空しく男が幼女を川に投げ込んだような水音が立つ。『ううっ…止めろ!止めろーっ!』夢の中で私は両の拳を握りしめ大声を発して2人のもとに駆け寄ろうとしている。しかし金縛りに会ったようにその声が出ず、身体もまったく動かない。靄の中から水面をかき混ぜる音が立ち、このド畜生男にではなく、誰か別の人間を呼ぶような悲鳴に近い少女の声が伝わって来た。「おじちゃーん!おじちゃーん!助けてー!」それでも動けない私の身体…私はもどかしさの余り気も狂いそうだ!しかしそのような慙愧に堪えず狂おしい状態を解き、行動に導く、何者か別人の声が私の胸の底から伝わって来た。「田中さん、田中さん!来て!行ってあげて!」と私を呼んでいる。A子だった。『ううっ、A子、いま…いま行く…』と身悶えするうちにようやく目が覚めた。現実にもどった。