モブ姫に転生したら幽閉されていました  ~二ヶ月後に王家滅亡らしいので逃げるつもりでしたが、なぜか溺愛が始まりました~


 アリエスは呆然としながら、倒れた母の肩を支える。
(お母様が国の為と、一生懸命魔力をこめた石なのに!!)
 しかし、アリエスに何かができるわけもない。

「……お願いします。お母様を助けてください。医師を呼んで……!」

「医師?」
 カロリーヌはわざとらしく首を傾げた。
「医師はすべてアリエティ様のもとにいるのです。こんなどこの誰かもわからない人間などみる時間などありません」

 アリエスの小さな胸が、怒りで燃え上がるのがわかった。

(どうして……どうしてここまで……!)

「それと、アリエス──」

 カロリーヌがむしろ楽しそうに言葉を続けた。

「ミラージュにはきちんと仕事ができなかった罰はうけてもらいますわ 」

 その声は甘く、だが底知れぬ悪意を含み、まるで“処罰を与える理由ができて嬉しい”とでも言いたげだった。
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