どうぞ、貴方がお望みの結末を。~死を偽装した才女と、彼女を搾取した人々の破滅の物語~
わかったのは、クラリスが一昨日の夕刻、本当に屋敷から出ていったということだけである。
懐中時計はクラリスが祖父から受け継いだもので、彼女が肌身離さず持っていたものだ。
古くさいうえに、さして値打ちものでもなく、みっともないから捨てるようにクラリスに何度も言ったが、彼女は頑として聞き入れなかった。
『これはお祖父様の形見で大切なものです』
いつもは従順なクラリスがそれだけは譲らない。
懐中時計はクラリスが祖父から受け継いだもので、彼女が肌身離さず持っていたものだ。
古くさいうえに、さして値打ちものでもなく、みっともないから捨てるようにクラリスに何度も言ったが、彼女は頑として聞き入れなかった。
『これはお祖父様の形見で大切なものです』
いつもは従順なクラリスがそれだけは譲らない。