×されるはずが、溺愛される件について
初夜を迎えた次の朝。
鳥の鳴き声に目が覚めるとベッドにいたはずのレオナルトがいなかった。
もしかして彼は夜のうちに出て行ってしまったのか。
焦って飛び起きると、部屋の隣に続いている浴室から物音が聞こえる。耳を澄ますうち、濡れ髪をタオルで拭きながらガウンを羽織った彼が浴室から出て来た。
「あっ、おはようございます」
「おはよう」
てっきり置いてきぼりをくらってしまったかとガッカリしたがそうではなかったらしい。彼と朝の挨拶ができただけでもうれしくて、胸を弾ませながらリーナは急いでベッドから下りた。
「お食事は、どうなさいますか?」
「ん? ああ、朝食……俺はひと汗流してくるから、その後でいいか?」
「はい!」
思い切り返事をしてしまい顔を赤らめたリーナを見て彼はクスッと笑う。