部長と私の秘め事
またタクシーに乗って安全運転で札幌の中心部まで向かったあと、二条市場でカニやウニ、イクラ、トロを買い、冷凍で尊さんのマンションまで送ってもらう事にした。
そのあと地下歩行空間を使って札幌駅近くまで行き、ランチは『モリエールカフェ 降っても晴れても』で簡単なコース料理を食べた。
円山公園の側に星つきフレンチの『モリエール』があるらしいけれど、このカフェはそこの姉妹店らしい。
他にも東区にあるモエレ沼公園にも店舗があり、あとは道内あちこちにレストランがあるそうだ。
道産の素材にこだわった料理は、とても美味しかった。
泡がブクブクに立ったゴボウのポタージュから始まり、塩味が絶妙な帆立のフリットは、木の枝に載せられて出されるという、憎い演出だ。
そのあとはオリジナルのサラダ、バターまで美味しいパンに、メインは選べる中でまた牛肉を食べさせてもらった。
デザートも選べるなか、私はハスカップソースがかかったブラマンジェにしたけれど、その登場の仕方がまた映えた。
大きなお皿の上に松葉をふんだんにあしらい、その上にブラマンジェの入ったボウルが載っていて、スタッフがテーブルでよそってくれた。
「いちごジュース、めちゃ美味しかったです」
「そうか、そいつは良かった」
私たちはコーヒーを飲んでフィニッシュしたあと、建物の一階にある『六花亭』でしこたまお菓子を買い込んだ。
なにせ、『モリエールカフェ』は六花亭ビルの九階にあって、入る時もテンションが上がってしまって写真を撮ってしまった。
札幌駅に着いたあと、尊さんは例の知り合いと落ち合ってブツを受け取るらしく、私は大丸の地下で待つ事にした。
時刻はお昼過ぎだけど、出入り口付近にあるのがきっと例の人気のあるチーズのお菓子なんだろう。すでに売り切れになっていて、人気の凄まじさが伝わってくる。
尊さんは「すまん」と言ってすぐに戻り、例の人からよろしく伝えるよう言われたと、教えてくれた。
そのあとデパ地下を巡って『バターのいとこ』や『ショコラティエ・マサール』のブラウニー、きのとやの『札幌農学校』を買った。空港でもまだ買うつもりだ。
「まだちょっと時間あるから、パフェ食うか?」
「食います!」
気合いを入れて返事をすると、札幌駅に直結している札幌ステラプレイスの二階にある『グラッシェル』というカフェに連れて行ってもらった。
カフェの隣にはショーケースにジェラートが並んでいて、コーンやカップで購入する事もできるっぽい。他にもアイスケーキも置いていて、見た目が物凄く可愛い。
パフェは少しお高めだけど、尊さんのオススメなら美味しいに違いない。
「本当は表参道にも店舗があったんだけど、閉店になっちまったんだよな。だから正真正銘、グラッシェルのパフェが食べられるのはここだけになった」
「あらら、そうなんですね」
「この店、ドゥーブルフロマージュで有名な『ルタオ』が元になってるんだけど、神奈川県大和市にある『メゾン・ジブレー』のシェフが監修してメニューを作ってきたんだ。ミラノ万博では、ジェラートの本場のイタリアを差し置いて優勝したから、マジで凄いよ」
「へええ!」
「だから間違いなく美味い。札幌のパフェと言ったら、『雪印パーラー』や『四つ葉』も外せないけど、個人的にはここを推したかった」
「こうやって説明してもらえると、凄さが分かって大切に味わえる気がします」
そして出てきたのは、バレンタイン時期らしいチョコとベリーのパフェだ。
見た目からとてもお洒落で、美味しそうなのが伝わってくる。
「いただきます」
ワクワクして一口食べてみて、私は目を大きく見開き、足をタカタカさせる。
「んー!」
「美味いだろ?」
微笑んだ尊さんに言われ、私はコクコクと頷く。
そのあとは夢中になってスプーンを動かし、あっという間に食べ終わってしまった。
「よし、じゃあ空港向かうか」
「はい、ごちそうさまです!」
札幌駅から快速エアポートに乗った私たちは、新千歳空港に向かう。
空港に着くとお土産を買いあさり、詰める物を詰めてから、尊さんの提案で空港内にある宅急便でスーツケースごと三田のマンションに送ってもらう事にした。
あとは手荷物のみでブラブラ過ごし、最後のあがきでソフトクリームを食べ、十六時フライトの飛行機に乗る。
「あああ……、二泊三日、長いようで短かった……」
ファーストクラスのフカフカのシートに座り、私は満足しきって目を閉じる。
「朱里は食いしん坊だから、機内食もいけるよな?」
「いけるに決まってます」
目を開けてサムズアップすると、尊さんは「ぶふっ」と笑い崩れた。
「…………でも、帰ったら体重計に乗るのが怖い」
今になって現実が待っている事に気づき、私は自分を抱き締めて俯く。
「お前の腹の柔らかさは、十分評価してるよ」
「だから、も~」
「太っただの痩せただの、気にしすぎなんだよ」
「パーフェクトバディ速水に言われると、つらいっす」
「……帰ったら、一緒に走るか?」
「うす」
「よし」
尊さんにクシャクシャッと頭を撫でられた私は、幸せに浸りながら離陸時間を待った。
**
そのあと地下歩行空間を使って札幌駅近くまで行き、ランチは『モリエールカフェ 降っても晴れても』で簡単なコース料理を食べた。
円山公園の側に星つきフレンチの『モリエール』があるらしいけれど、このカフェはそこの姉妹店らしい。
他にも東区にあるモエレ沼公園にも店舗があり、あとは道内あちこちにレストランがあるそうだ。
道産の素材にこだわった料理は、とても美味しかった。
泡がブクブクに立ったゴボウのポタージュから始まり、塩味が絶妙な帆立のフリットは、木の枝に載せられて出されるという、憎い演出だ。
そのあとはオリジナルのサラダ、バターまで美味しいパンに、メインは選べる中でまた牛肉を食べさせてもらった。
デザートも選べるなか、私はハスカップソースがかかったブラマンジェにしたけれど、その登場の仕方がまた映えた。
大きなお皿の上に松葉をふんだんにあしらい、その上にブラマンジェの入ったボウルが載っていて、スタッフがテーブルでよそってくれた。
「いちごジュース、めちゃ美味しかったです」
「そうか、そいつは良かった」
私たちはコーヒーを飲んでフィニッシュしたあと、建物の一階にある『六花亭』でしこたまお菓子を買い込んだ。
なにせ、『モリエールカフェ』は六花亭ビルの九階にあって、入る時もテンションが上がってしまって写真を撮ってしまった。
札幌駅に着いたあと、尊さんは例の知り合いと落ち合ってブツを受け取るらしく、私は大丸の地下で待つ事にした。
時刻はお昼過ぎだけど、出入り口付近にあるのがきっと例の人気のあるチーズのお菓子なんだろう。すでに売り切れになっていて、人気の凄まじさが伝わってくる。
尊さんは「すまん」と言ってすぐに戻り、例の人からよろしく伝えるよう言われたと、教えてくれた。
そのあとデパ地下を巡って『バターのいとこ』や『ショコラティエ・マサール』のブラウニー、きのとやの『札幌農学校』を買った。空港でもまだ買うつもりだ。
「まだちょっと時間あるから、パフェ食うか?」
「食います!」
気合いを入れて返事をすると、札幌駅に直結している札幌ステラプレイスの二階にある『グラッシェル』というカフェに連れて行ってもらった。
カフェの隣にはショーケースにジェラートが並んでいて、コーンやカップで購入する事もできるっぽい。他にもアイスケーキも置いていて、見た目が物凄く可愛い。
パフェは少しお高めだけど、尊さんのオススメなら美味しいに違いない。
「本当は表参道にも店舗があったんだけど、閉店になっちまったんだよな。だから正真正銘、グラッシェルのパフェが食べられるのはここだけになった」
「あらら、そうなんですね」
「この店、ドゥーブルフロマージュで有名な『ルタオ』が元になってるんだけど、神奈川県大和市にある『メゾン・ジブレー』のシェフが監修してメニューを作ってきたんだ。ミラノ万博では、ジェラートの本場のイタリアを差し置いて優勝したから、マジで凄いよ」
「へええ!」
「だから間違いなく美味い。札幌のパフェと言ったら、『雪印パーラー』や『四つ葉』も外せないけど、個人的にはここを推したかった」
「こうやって説明してもらえると、凄さが分かって大切に味わえる気がします」
そして出てきたのは、バレンタイン時期らしいチョコとベリーのパフェだ。
見た目からとてもお洒落で、美味しそうなのが伝わってくる。
「いただきます」
ワクワクして一口食べてみて、私は目を大きく見開き、足をタカタカさせる。
「んー!」
「美味いだろ?」
微笑んだ尊さんに言われ、私はコクコクと頷く。
そのあとは夢中になってスプーンを動かし、あっという間に食べ終わってしまった。
「よし、じゃあ空港向かうか」
「はい、ごちそうさまです!」
札幌駅から快速エアポートに乗った私たちは、新千歳空港に向かう。
空港に着くとお土産を買いあさり、詰める物を詰めてから、尊さんの提案で空港内にある宅急便でスーツケースごと三田のマンションに送ってもらう事にした。
あとは手荷物のみでブラブラ過ごし、最後のあがきでソフトクリームを食べ、十六時フライトの飛行機に乗る。
「あああ……、二泊三日、長いようで短かった……」
ファーストクラスのフカフカのシートに座り、私は満足しきって目を閉じる。
「朱里は食いしん坊だから、機内食もいけるよな?」
「いけるに決まってます」
目を開けてサムズアップすると、尊さんは「ぶふっ」と笑い崩れた。
「…………でも、帰ったら体重計に乗るのが怖い」
今になって現実が待っている事に気づき、私は自分を抱き締めて俯く。
「お前の腹の柔らかさは、十分評価してるよ」
「だから、も~」
「太っただの痩せただの、気にしすぎなんだよ」
「パーフェクトバディ速水に言われると、つらいっす」
「……帰ったら、一緒に走るか?」
「うす」
「よし」
尊さんにクシャクシャッと頭を撫でられた私は、幸せに浸りながら離陸時間を待った。
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