部長と私の秘め事
「うう……」

 下着はヤル気満々なのに、着てる人は羞恥のあまり逃亡寸前だ。

「可愛い。……もっとよく見たいから、こっち来いよ」

 尊さんはグイッと私の腕を引き、胡座をかいた膝の上にのせる。

 彼は興味深そうに下着を見て、紐の隙間に指を挿し込む。

「下は? 穴空いてないやつ?」

「…………それがなんと、ボタン開閉式でございます」

 堪らずテレビショッピング風に言うと、彼はフハッと笑って「至れり尽くせりだな」と言う。

 冗談を言ってこの空気を誤魔化せたと思い、安心していた瞬間、露わになった乳房をツ……と撫でられて、「ひぁっ」と悲鳴が漏れた。

「な……っ、なんでいきなり触るんですか!」

「……目の前に水饅頭みたいな、すべすべした胸があったら、そりゃ触るだろ」

「水饅頭……」

 呟いた私が食のほうに話をシフトする前に、尊さんは両手で乳房を揉み始めた。

「……柔らけ……。すべすべだし、本当に饅頭だよな……」

 尊さんは掌でツゥ……と乳房を撫で、五指を食い込ませてはポヨポヨと弾ませる。

「……それが白いレースで縁取られてるもんだから……、最高じゃねぇか」

 彼は揉む手を止めて私をじっくりと見つめ、溜め息をついて「最高」ともう一度呟いた。

「朱里」

 尊さんは両手を伸ばし、私を求める。

 それに応えるためにもう少し密着すると、乳首に熱い息を吐きかけられ、それだけでお腹の奥が甘く疼いた。

「かわい……」

 彼は小さく呟くと、ねろりと乳首を舐め始める。

「ん……っ」

 ピクッと反応した私は、尊さんの髪を撫でた。

 彼はちゅ……っ、ちゅぷ……っと音を立てて胸の先端に吸い付き、私の背中やお尻を手で辿ってくる。

 そしてショーツのボタンを手探りで外し始めた。

 大事な部分に彼の手があると思うとドキドキするし、エッチな下着をさらにエッチな形態にしていると思うと、羞恥のあまりこの場から逃げ出したくなる。

「……濡れてる」

 クロッチのボタンを外して尊さんが小さく笑い、私はプイッと横を向いた。

「気のせい」

「ふぅん?」

 尊さんは意地悪に言い、私の後頭部に手を当てて引き寄せるとキスをしてきた。

「ん……、む、……ぅう」

 ちゅっちゅっと唇をついばまれ、上唇と下唇を順番に甘噛みされたあと、ヌルリと舌が入り込んでくる。

 柔らかく温かな舌を舐めていると、どんどんいやらしい気持ちになってきた。

 おまけに尊さんは剥き出しになっているお尻をサワサワと触れ、私の官能を高めてくる。

 焦れったい愛撫がもどかしく、大事な部分に刺激が欲しくて腰を揺らすと、彼はキスの合間にクスッと笑い、私の望みに応えてくれた。





 たっぷりと愛し合ったあと、私たちはもう一度お風呂に入る事にした。

 髪は汚れてないのでクリップで留めて、丁寧に体を洗っていく。

 先に入っていた私は、彼が乱入してくるのを期待して、ゆっくりめに体を洗う。

 やがて、バスルームのドアがトントンとノックされた。

「いらっしゃいませようこそ~」

「急に居酒屋みたいになるの、やめてくれ」

「あれ、お風呂屋さんのつもりだったのに」

「そんな景気のいい挨拶しないだろ」

「じゃあ、どういう?」

「さあ……」

 尊さんはシャワーを浴び始め、私はお風呂のお湯を汲んで彼の背中を流す。

「今は聞くだけなんですが、尊さんって私とどういう事をしたいですか? 『朱里とできるなら何でも』はナシで。詳細な希望を聞きたいです」

 すると彼は少し考えてから答えた。

「んー……。ある程度、メジャーな体位はやってみたいかな。座位とか立ってとか、ベッドじゃない所でやるのもいいと思うし」

「それぐらいならできそうです。良かった。乱れ牡丹とか首引き恋慕を望まれなくて」

「よく知ってるな、四十八手」

 私の言葉を聞いた瞬間、尊さんはブハッと噴き出す。

「昔、友達のお姉ちゃんが『ピエールとカトリーヌ』をカラオケで歌ってたんですよ」

「ぶほぉっ!」

 尊さんは今度こそ盛大に噴き出した。
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