部長と私の秘め事
「尊……、女子が眩しいよ。恵ちゃんの笑顔プライスレス。俺にももっと冗談言ってほしいな」
「冗談言ってもらえる、面白い男になってみろよ」
「虹色アフロのヅラと、鼻眼鏡でもして、全身タイツを着ればいいのかな」
「中村さんが、猫みたいに警戒してる様子が目に浮かぶ……」
私たちはそのあとも、例の道路標識のキーホルダーを買い、独特なアボリジニ柄の製品を見たり、巨大なドリームキャッチャーを見た。
お菓子を売ってるお店もあって、珍しくてついつい手に取ってしまう。
感動したのは、ザ・ペロペロキャンディという感じの、うずまき型の棒キャンディがあった事だ。
「すぐ近くにスーパーマーケットがあるから、そこも寄ろうか。現地の食べ物なら、そっちのほうが沢山あるはずだよ」
「わーい! 面白そうなカップ麺あるかな!」
「沢山あるよ~」
「イェーイ!」
私は涼さんとハイタッチする。
「さっきのステーキで腹は膨れてるから、フードコートで適当に食ってスーパーマーケット行って、一旦ホテルで着替えて、カジノ見学しないか?」
「えーっ!? カジノ入っていいんですか? 捕まらない?」
「全然。行ってみたくないか?」
「興味あります! でも、ドレス持って来てないですよ?」
ドキドキしつつ答えると、尊さんに頭を撫でられる。
「そこまでドレスコードが厳しい訳じゃねぇんだ。男は襟付きの服を着て、女性はワンピースならOK。ビーサンNG。その程度。ルーレットなら2.5オーストラリアドル……、まぁ、二百五十円ぐらいからできる」
「そんなにお手軽!? それで、スッテンテンになって、全裸になって追い出されるんですね?」
「マンガの見過ぎ」
尊さんはクスクス笑って、向かいから来た人に私がぶつからないように、グイッと肩を引いた。
「三千円ぐらいまで、とか決めて安全に遊べるよ」
「へー、興味あります。……というか、賭け事は怖いから、雰囲気見るだけでいいかな」
恵が消極的な事を言うので、私は発破をかけた。
「私がルーレットで赤に入れて勝ったら、恵バニーガールコスね!」
「なんでやねん!」
「じゃあ、俺、黒!」
当然のように涼さんが乗り、恵は「ああもう……」と手で額を抑える。
「じゃあ、私が赤で買ったら朱里がバニーガールコスね! 篠宮さんが黒で買ってもコス!」
言い返され、私は「ふぐっ」と言葉に詰まる。
「良かったじゃないか、尊。俺たち丸儲けだ」
涼さんが片手でハイタッチを求めると、尊さんもそれに応じ、付け加える。
「勝った金額でオプションが付けられるのもいいな……」
「それだ!」
「何が『それだ!』なんですか!」
大喜びする涼さんを見て、恵がしかめっ面をする。
「オプションが武器だったらいいですね。私、モーニングスターがいいです」
そう言って鉄球をぶん回すジェスチャーをすると、尊さんが顔を引きつらせた。
「野蛮……」
「じゃあ、私は刀で」
「恵ちゃあん……、銃刀法違反に引っ掛かっちゃう……」
「バニーガールコンビで、世直ししないと」
「うっす」
私が恵と握手をし、肩を組むと、尊さんは「敵わねぇな」と笑う。
そのあと、フードコートでお手軽価格のディナーをいただいた。
多国籍の食べ物が沢山あって、日本食も海苔巻き的なものから、うどんなどがあるけれど、やや割高に感じてしまう。
せっかく外国に来たなら、普段食べられないものをと思い、私たちはその場で揚げてくれる串揚げや、中華などを選んで好きに食べた。
帰りは反対側の出口の近くにチュロスのお店があり、そこも有名店みたいだ。
恵とメンズ二人は遠慮したけれど、私は彼らに待ってもらい、ソフトクリームにチュロス二つが刺さった物を食べた。
「美味しいから一口食べなって」と、チュロスを一口ちぎった物を恵の口に押し込む。
「うん……、美味しいけど……」
彼女はモグモグと口を動かしつつ、お腹をさすっていた。
「冗談言ってもらえる、面白い男になってみろよ」
「虹色アフロのヅラと、鼻眼鏡でもして、全身タイツを着ればいいのかな」
「中村さんが、猫みたいに警戒してる様子が目に浮かぶ……」
私たちはそのあとも、例の道路標識のキーホルダーを買い、独特なアボリジニ柄の製品を見たり、巨大なドリームキャッチャーを見た。
お菓子を売ってるお店もあって、珍しくてついつい手に取ってしまう。
感動したのは、ザ・ペロペロキャンディという感じの、うずまき型の棒キャンディがあった事だ。
「すぐ近くにスーパーマーケットがあるから、そこも寄ろうか。現地の食べ物なら、そっちのほうが沢山あるはずだよ」
「わーい! 面白そうなカップ麺あるかな!」
「沢山あるよ~」
「イェーイ!」
私は涼さんとハイタッチする。
「さっきのステーキで腹は膨れてるから、フードコートで適当に食ってスーパーマーケット行って、一旦ホテルで着替えて、カジノ見学しないか?」
「えーっ!? カジノ入っていいんですか? 捕まらない?」
「全然。行ってみたくないか?」
「興味あります! でも、ドレス持って来てないですよ?」
ドキドキしつつ答えると、尊さんに頭を撫でられる。
「そこまでドレスコードが厳しい訳じゃねぇんだ。男は襟付きの服を着て、女性はワンピースならOK。ビーサンNG。その程度。ルーレットなら2.5オーストラリアドル……、まぁ、二百五十円ぐらいからできる」
「そんなにお手軽!? それで、スッテンテンになって、全裸になって追い出されるんですね?」
「マンガの見過ぎ」
尊さんはクスクス笑って、向かいから来た人に私がぶつからないように、グイッと肩を引いた。
「三千円ぐらいまで、とか決めて安全に遊べるよ」
「へー、興味あります。……というか、賭け事は怖いから、雰囲気見るだけでいいかな」
恵が消極的な事を言うので、私は発破をかけた。
「私がルーレットで赤に入れて勝ったら、恵バニーガールコスね!」
「なんでやねん!」
「じゃあ、俺、黒!」
当然のように涼さんが乗り、恵は「ああもう……」と手で額を抑える。
「じゃあ、私が赤で買ったら朱里がバニーガールコスね! 篠宮さんが黒で買ってもコス!」
言い返され、私は「ふぐっ」と言葉に詰まる。
「良かったじゃないか、尊。俺たち丸儲けだ」
涼さんが片手でハイタッチを求めると、尊さんもそれに応じ、付け加える。
「勝った金額でオプションが付けられるのもいいな……」
「それだ!」
「何が『それだ!』なんですか!」
大喜びする涼さんを見て、恵がしかめっ面をする。
「オプションが武器だったらいいですね。私、モーニングスターがいいです」
そう言って鉄球をぶん回すジェスチャーをすると、尊さんが顔を引きつらせた。
「野蛮……」
「じゃあ、私は刀で」
「恵ちゃあん……、銃刀法違反に引っ掛かっちゃう……」
「バニーガールコンビで、世直ししないと」
「うっす」
私が恵と握手をし、肩を組むと、尊さんは「敵わねぇな」と笑う。
そのあと、フードコートでお手軽価格のディナーをいただいた。
多国籍の食べ物が沢山あって、日本食も海苔巻き的なものから、うどんなどがあるけれど、やや割高に感じてしまう。
せっかく外国に来たなら、普段食べられないものをと思い、私たちはその場で揚げてくれる串揚げや、中華などを選んで好きに食べた。
帰りは反対側の出口の近くにチュロスのお店があり、そこも有名店みたいだ。
恵とメンズ二人は遠慮したけれど、私は彼らに待ってもらい、ソフトクリームにチュロス二つが刺さった物を食べた。
「美味しいから一口食べなって」と、チュロスを一口ちぎった物を恵の口に押し込む。
「うん……、美味しいけど……」
彼女はモグモグと口を動かしつつ、お腹をさすっていた。