部長と私の秘め事
「はぁ……」
走行する車の中から外を見ると、懐かしい景色が広がっている。
一週間も経てば「エメラルドグリーンの海が懐かしい!」と思うだろうけど、今は高層ビルの多い東京を懐かしく思っている。
「三十分ぐらいかかるから、ゆっくりしとけ」
「はい」
返事をした私は、スマホを開いて母にメッセージを送る。
【ただいま帰り申した。無事羽田に着いて、ハイヤーに乗ってます。後日、お土産渡しに行くね】
春日さんやエミリさんにもメッセージを送っている時、母から返事がきた。
【無事に日本に着いて良かったです。お土産はいつでもいいから、ゆっくり休んでください】
それを見て微笑んだ私は、シートに身をもたれて溜め息をついた。
(帰ったらまずどうしようかな。荷物を片づけないとならないけど、シャワーも入りたいし、ご飯も食べたいし……)
そんな事を考えつつも、気がついたら私は安心感からか、ウトウトとしてしまっていた。
**
マンションに着くと、老舗ホテルと提携しているだけに、ポーターさんが荷物を部屋まで運んでくれるのでありがたい。
高級ホテル仕込みのプロのスタッフさんたちが管理してくれているので、留守をしていても安心だ。
「ただいま我が家~!」
玄関に入った私はそう言って、ヘナヘナと座り込んでしまった。
「こら、床の上に寝るな」
ポーターさんにお礼を言った尊さんは、ドアを閉め靴を脱ぐ。
「五分だけ……」
「仕方ねぇな」
尊さんはヒョイッと私を抱き上げ、スタスタとリビングに向かうと、カウチソファに私を寝かせた。
「そこで少し休んでな」
「ダーリンありがとう」
ちょっとふざけてお礼を言うと、玄関に荷物を取りに行った尊さんは、チラッと振り向いて、指ハートつきウインクをしてきた。
(んあーっ!)
あのクールなシゴデキ速水部長が、指ハートしてウインクを飛ばしてくれるなんて誰も思わないだろう。
私は自分だけに向けられたファンサを噛み締め、クッションを抱いてゴロゴロする。
尊さんはその間テキパキと動き、荷物を運んでいる。
ちゃんとスーツケースの車を雑巾で拭いてくれているので、気配りが凄い。
「朱里の荷物とお土産、部屋に置いといたからな」
「ありがとうございます。サボっててすみません」
「俺のほうが体力あるし、旅行慣れしてるから構わねぇよ」
キッチンに向かった尊さんは、ウォーターサーバーからお水を汲んでゴクゴク飲む。
「少し休んで、飯食ってシャワー入り終わったあとぐらい、二十一時半から出張マッサージを予約してある」
「エッチなやつですか!?」
びっくりしてガバッと起き上がると、尊さんはコントみたいにガクッと項垂れる。
「アホか。健全な奴だ。帰国したら疲れ果ててると思ったから、オイルマッサージと足裏、ヘッドマッサージを予約しといた。……俺は普通の揉みほぐしな」
「紙パンツのやつですか!」
私は恵の誕生日の時に受けた施術を思い出す。
「女性の施術師さんを頼んだから、自分の部屋のベッドでやってもらってくれ。俺は男の施術師さんに、自分の寝室でやってもらう」
「ありがとうございます。至れり尽くせりミコハウス」
「俺は先にシャワー入っとく。ゆっくりしとけよ」
「はーい」
返事をした私は、寝っ転がったままフェリシアにテレビをつけてもらい、久しぶりの日本のバラエティ番組を見つつ、ダラダラとスマホを弄る。
そのうち、疲れからか気がついたら寝てしまっていた。
走行する車の中から外を見ると、懐かしい景色が広がっている。
一週間も経てば「エメラルドグリーンの海が懐かしい!」と思うだろうけど、今は高層ビルの多い東京を懐かしく思っている。
「三十分ぐらいかかるから、ゆっくりしとけ」
「はい」
返事をした私は、スマホを開いて母にメッセージを送る。
【ただいま帰り申した。無事羽田に着いて、ハイヤーに乗ってます。後日、お土産渡しに行くね】
春日さんやエミリさんにもメッセージを送っている時、母から返事がきた。
【無事に日本に着いて良かったです。お土産はいつでもいいから、ゆっくり休んでください】
それを見て微笑んだ私は、シートに身をもたれて溜め息をついた。
(帰ったらまずどうしようかな。荷物を片づけないとならないけど、シャワーも入りたいし、ご飯も食べたいし……)
そんな事を考えつつも、気がついたら私は安心感からか、ウトウトとしてしまっていた。
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マンションに着くと、老舗ホテルと提携しているだけに、ポーターさんが荷物を部屋まで運んでくれるのでありがたい。
高級ホテル仕込みのプロのスタッフさんたちが管理してくれているので、留守をしていても安心だ。
「ただいま我が家~!」
玄関に入った私はそう言って、ヘナヘナと座り込んでしまった。
「こら、床の上に寝るな」
ポーターさんにお礼を言った尊さんは、ドアを閉め靴を脱ぐ。
「五分だけ……」
「仕方ねぇな」
尊さんはヒョイッと私を抱き上げ、スタスタとリビングに向かうと、カウチソファに私を寝かせた。
「そこで少し休んでな」
「ダーリンありがとう」
ちょっとふざけてお礼を言うと、玄関に荷物を取りに行った尊さんは、チラッと振り向いて、指ハートつきウインクをしてきた。
(んあーっ!)
あのクールなシゴデキ速水部長が、指ハートしてウインクを飛ばしてくれるなんて誰も思わないだろう。
私は自分だけに向けられたファンサを噛み締め、クッションを抱いてゴロゴロする。
尊さんはその間テキパキと動き、荷物を運んでいる。
ちゃんとスーツケースの車を雑巾で拭いてくれているので、気配りが凄い。
「朱里の荷物とお土産、部屋に置いといたからな」
「ありがとうございます。サボっててすみません」
「俺のほうが体力あるし、旅行慣れしてるから構わねぇよ」
キッチンに向かった尊さんは、ウォーターサーバーからお水を汲んでゴクゴク飲む。
「少し休んで、飯食ってシャワー入り終わったあとぐらい、二十一時半から出張マッサージを予約してある」
「エッチなやつですか!?」
びっくりしてガバッと起き上がると、尊さんはコントみたいにガクッと項垂れる。
「アホか。健全な奴だ。帰国したら疲れ果ててると思ったから、オイルマッサージと足裏、ヘッドマッサージを予約しといた。……俺は普通の揉みほぐしな」
「紙パンツのやつですか!」
私は恵の誕生日の時に受けた施術を思い出す。
「女性の施術師さんを頼んだから、自分の部屋のベッドでやってもらってくれ。俺は男の施術師さんに、自分の寝室でやってもらう」
「ありがとうございます。至れり尽くせりミコハウス」
「俺は先にシャワー入っとく。ゆっくりしとけよ」
「はーい」
返事をした私は、寝っ転がったままフェリシアにテレビをつけてもらい、久しぶりの日本のバラエティ番組を見つつ、ダラダラとスマホを弄る。
そのうち、疲れからか気がついたら寝てしまっていた。