部長と私の秘め事
「はぁ~、しゃーわせ」
「朱里、調子に乗って酔っぱらうなよ。あとで風呂入るんだろ? 溺れるから」
「その時は尊さんがシンクロナイズドスイミングして助けてくれるんでしょう? ミトコ、涼子のペアで。華麗なるジャンプを決めて」
「お前なぁ……」
酔っぱらいつつ突っ込み、また皆さんが笑う。
彼らも涼さんの事をよく知っているので、ネタが通じてしまうところが嬉しい。
お口直しのプレデセールは、程よい甘さの西瓜のシャーベットだ。
ちゃんと西瓜に見えるように、チョコチップで種をあしらっている。
最後はジュースみたいに甘いデザートワインを出してもらい、何杯でもカパカパいけそうだ。
デザートは白いプレートの上に、レモンのクレーム・シブーストと、レモンを添えたココナッツアイス、一口サイズのエッグタルトだ。
クレーム・シブーストとは、円筒状をしたお菓子で、底にパイ生地、中ほどにレモン果汁とカスタード、メレンゲとゼラチンを混ぜて固めた物で、シュワッとお口の中で溶ける。
さらに上部はお砂糖をまぶしてバーナーで炙り、パリパリにキャラメリゼされてある。
「お誕生日おめでとうございます」
「まぁ……、ありがとうございます」
百合さんのデザートにはチョコプレートでメッセージが添えられている。
さらに、本来なら普通のケーキが出るんだろうけれど、まだ残りの日程もあるので、日持ちするウイークエンドシトロン――レモン味のパウンドケーキが出された。
白いプレートの上に、上部をシュガーコーティングされたパウンドケーキが置かれ、色とりどりの花びらが散らされているので、とても綺麗だ。
「記念撮影お願いします」
小牧さんが言い、全員が百合さんと将馬さんの傍に寄って、写真を撮ってもらう事にした。
**
「はぁー……、お腹一杯!」
部屋に戻った私は、ミニバーからジュースを出し、少し膨らんだお腹をさすってソファに座る。
「……本当か?」
尊さんも同様に飲み物を出し、少し疑わしそうに見てくる。
「こう……、物理で〝お腹一杯〟にする時と、高級な物をいただいて気持ちも満たされての〝お腹一杯〟は、質が違うんですよ……」
「そう言うと、余計にプロっぽいな」
「お腹一杯のプロってなんですか」
私はケラケラと笑い、ホテルオリジナルのジュースを飲む。
時計を見ると、そうのんびりしていられない。
「お腹がこなれたら、貸し切りのお風呂行って来ますね。お部屋にある温泉も立派だけど、他の皆さんが参加するなら、裸の付き合いをしたいです」
「ん、行ってこい」
「アイアイサー」
私は返事をしてジュースを飲み、少し脚をブラブラさせる。
そしてずっと気になっていた事を尋ねた。
「……プレゼント、渡せそうですか?」
「…………ん…………」
今回の旅行が百合さんの誕生日祝いも兼ねていると聞いて、尊さんは大地さん達と入念に打ち合わせをしていた。
尊さんは贈り物を持って来ただろうに、渡すタイミングを見失っている。
なんだか好きな人に誕生日プレゼントを渡せずにいる友人みたいに思えて、見ていてムズムズする。
「何とかする」
尊さんにポンポンと頭を撫でられ、私はグリグリと彼の肩に頭を押しつける。
「みんなで幸せになるんですよ。遠慮したら駄目ですからね」
すると彼はクスッと笑う。
「分かってるよ。サンキュ」
彼は水をグーッと飲んで、溜め息をついてから言う。
「朱里、調子に乗って酔っぱらうなよ。あとで風呂入るんだろ? 溺れるから」
「その時は尊さんがシンクロナイズドスイミングして助けてくれるんでしょう? ミトコ、涼子のペアで。華麗なるジャンプを決めて」
「お前なぁ……」
酔っぱらいつつ突っ込み、また皆さんが笑う。
彼らも涼さんの事をよく知っているので、ネタが通じてしまうところが嬉しい。
お口直しのプレデセールは、程よい甘さの西瓜のシャーベットだ。
ちゃんと西瓜に見えるように、チョコチップで種をあしらっている。
最後はジュースみたいに甘いデザートワインを出してもらい、何杯でもカパカパいけそうだ。
デザートは白いプレートの上に、レモンのクレーム・シブーストと、レモンを添えたココナッツアイス、一口サイズのエッグタルトだ。
クレーム・シブーストとは、円筒状をしたお菓子で、底にパイ生地、中ほどにレモン果汁とカスタード、メレンゲとゼラチンを混ぜて固めた物で、シュワッとお口の中で溶ける。
さらに上部はお砂糖をまぶしてバーナーで炙り、パリパリにキャラメリゼされてある。
「お誕生日おめでとうございます」
「まぁ……、ありがとうございます」
百合さんのデザートにはチョコプレートでメッセージが添えられている。
さらに、本来なら普通のケーキが出るんだろうけれど、まだ残りの日程もあるので、日持ちするウイークエンドシトロン――レモン味のパウンドケーキが出された。
白いプレートの上に、上部をシュガーコーティングされたパウンドケーキが置かれ、色とりどりの花びらが散らされているので、とても綺麗だ。
「記念撮影お願いします」
小牧さんが言い、全員が百合さんと将馬さんの傍に寄って、写真を撮ってもらう事にした。
**
「はぁー……、お腹一杯!」
部屋に戻った私は、ミニバーからジュースを出し、少し膨らんだお腹をさすってソファに座る。
「……本当か?」
尊さんも同様に飲み物を出し、少し疑わしそうに見てくる。
「こう……、物理で〝お腹一杯〟にする時と、高級な物をいただいて気持ちも満たされての〝お腹一杯〟は、質が違うんですよ……」
「そう言うと、余計にプロっぽいな」
「お腹一杯のプロってなんですか」
私はケラケラと笑い、ホテルオリジナルのジュースを飲む。
時計を見ると、そうのんびりしていられない。
「お腹がこなれたら、貸し切りのお風呂行って来ますね。お部屋にある温泉も立派だけど、他の皆さんが参加するなら、裸の付き合いをしたいです」
「ん、行ってこい」
「アイアイサー」
私は返事をしてジュースを飲み、少し脚をブラブラさせる。
そしてずっと気になっていた事を尋ねた。
「……プレゼント、渡せそうですか?」
「…………ん…………」
今回の旅行が百合さんの誕生日祝いも兼ねていると聞いて、尊さんは大地さん達と入念に打ち合わせをしていた。
尊さんは贈り物を持って来ただろうに、渡すタイミングを見失っている。
なんだか好きな人に誕生日プレゼントを渡せずにいる友人みたいに思えて、見ていてムズムズする。
「何とかする」
尊さんにポンポンと頭を撫でられ、私はグリグリと彼の肩に頭を押しつける。
「みんなで幸せになるんですよ。遠慮したら駄目ですからね」
すると彼はクスッと笑う。
「分かってるよ。サンキュ」
彼は水をグーッと飲んで、溜め息をついてから言う。