部長と私の秘め事
「いい思い出になったろ」
ニヤッと笑った尊さんに言われ、私はサムズアップする。
「思っていた以上の破壊力でしたが、テーマパークに行かずとも絶叫マシーンを楽しめた気持ちです」
「さて、安心してたこ焼き食うか」
「ですね! 確かに事前に食べてたら、ケロッと出てたかも」
「カエルか」
尊さんに突っ込まれたあと、お店でお土産を買ってまた外へ出た。
尊さんが「評判がいいみたいだから」と言って向かったのは、中央通の動物園側にあるお店『万寿』だ。
お店の前には簡易テーブルがあって、そこで座って食べられるのが嬉しい。
「わぁ、色々種類がある」
お店の窓ガラスにメニューが貼ってあり、一番人気はスペシャルたこ焼きらしい。
他にもポン酢マヨ、ソースマヨ、一味マヨ、塩マヨ、ごま油塩などがある。
「俺、定番のソースマヨにするから、朱里は好きなのにしてシェアしようか」
「はい! 何がいいかな……。じゃあ、塩マヨとポン酢マヨにします!」
お会計は尊さんが現金で払ってくれ、お店の方が作ってくれている間、気さくに話題を振ってくれて楽しく待つ事ができた。
一種類につき六個入りで、尊さんはソースマヨを三つくれたのに、私からは「一つでいい」と二種類を一つずつしか徴収してくれなかった。
「食べちゃいますよ?」
「たんと食え」
「恨みっこなしですよ? 夜中にタコ男になって化けて出ても遅いですよ?」
「出ねぇって」
「いただきます!」
言質をとってから、私はウーロン茶と共にたこ焼きを食べ始めた。
「あふ……っ、あふっ」
たこ焼きは外側がカリッとしているのに、中はトローッで、焼きたてなのであつあつだ。
天かすを使っているようで、それが余計にカリカリ感を増している。
たこ焼きの外側に調味料で味付けされているのは勿論だけれど、タネに出汁が使われているらしく、濃い味の中にもフワッとお出汁を感じる。
「火傷すんなよ」
「んふーっ! んンふぃぃ」
私は涙目になりながら、サムズアップしてうんうんと頷く。
「まったく、美味そうな顔して……」
尊さんは嬉しそうな表情をし、スマホを構えると、ハフハフしている私の顔を写真に収める。
私がびっくりして目を見開くと、彼は「あはは!」と声を上げて笑った。
そのあと線路のあるほうへ歩いて行く途中、尊さんに「腹、まだいけるか?」と尋ねられる。
「勿論です! 次のクエストはなんですか?」
お腹をッパーン! と叩いて頷くと、彼は「そのリアクションはいいから」と私のお腹を手で隠しつつ言う。
「大阪と言えばミックスジュースも有名なんだが、発祥の店があるんだ」
「へー! 飲みたい!」
「あと、今はあまり言わなくなったのか分からんが、アイスコーヒーの事をこっちでは〝冷(れい)コー〟って呼ぶらしく、それも看板商品みたいだ」
「両方飲みます!」
「言うと思った」
ほどなくして、私たちは『千有屋珈琲』に入店した。
店内はレトロな内装で、ダークウッドの壁に赤いベロア調のソファ、そして赤い革張りの椅子に木製のテーブルがある。
壁には昭和レトロなポスターが貼られ、メニューもザ・喫茶店というラインナップが並んでいる。
「ミックスジュースと冷コーも美味しそうだけど、ミルクセーキって聞いた事はあるけど、初めてかもです」
「よし、行け」
「どうしよう……。パンケーキも美味しそうだし、この基本のプリンアラモードときたら……! 待って!? 出汁巻き卵サンド!?」
「後悔ないようにいっとけよ」
目を輝かせてメニューをめくる私を見ても、尊さんはまったく動じず、仏のような対応をしてくれる。
ニヤッと笑った尊さんに言われ、私はサムズアップする。
「思っていた以上の破壊力でしたが、テーマパークに行かずとも絶叫マシーンを楽しめた気持ちです」
「さて、安心してたこ焼き食うか」
「ですね! 確かに事前に食べてたら、ケロッと出てたかも」
「カエルか」
尊さんに突っ込まれたあと、お店でお土産を買ってまた外へ出た。
尊さんが「評判がいいみたいだから」と言って向かったのは、中央通の動物園側にあるお店『万寿』だ。
お店の前には簡易テーブルがあって、そこで座って食べられるのが嬉しい。
「わぁ、色々種類がある」
お店の窓ガラスにメニューが貼ってあり、一番人気はスペシャルたこ焼きらしい。
他にもポン酢マヨ、ソースマヨ、一味マヨ、塩マヨ、ごま油塩などがある。
「俺、定番のソースマヨにするから、朱里は好きなのにしてシェアしようか」
「はい! 何がいいかな……。じゃあ、塩マヨとポン酢マヨにします!」
お会計は尊さんが現金で払ってくれ、お店の方が作ってくれている間、気さくに話題を振ってくれて楽しく待つ事ができた。
一種類につき六個入りで、尊さんはソースマヨを三つくれたのに、私からは「一つでいい」と二種類を一つずつしか徴収してくれなかった。
「食べちゃいますよ?」
「たんと食え」
「恨みっこなしですよ? 夜中にタコ男になって化けて出ても遅いですよ?」
「出ねぇって」
「いただきます!」
言質をとってから、私はウーロン茶と共にたこ焼きを食べ始めた。
「あふ……っ、あふっ」
たこ焼きは外側がカリッとしているのに、中はトローッで、焼きたてなのであつあつだ。
天かすを使っているようで、それが余計にカリカリ感を増している。
たこ焼きの外側に調味料で味付けされているのは勿論だけれど、タネに出汁が使われているらしく、濃い味の中にもフワッとお出汁を感じる。
「火傷すんなよ」
「んふーっ! んンふぃぃ」
私は涙目になりながら、サムズアップしてうんうんと頷く。
「まったく、美味そうな顔して……」
尊さんは嬉しそうな表情をし、スマホを構えると、ハフハフしている私の顔を写真に収める。
私がびっくりして目を見開くと、彼は「あはは!」と声を上げて笑った。
そのあと線路のあるほうへ歩いて行く途中、尊さんに「腹、まだいけるか?」と尋ねられる。
「勿論です! 次のクエストはなんですか?」
お腹をッパーン! と叩いて頷くと、彼は「そのリアクションはいいから」と私のお腹を手で隠しつつ言う。
「大阪と言えばミックスジュースも有名なんだが、発祥の店があるんだ」
「へー! 飲みたい!」
「あと、今はあまり言わなくなったのか分からんが、アイスコーヒーの事をこっちでは〝冷(れい)コー〟って呼ぶらしく、それも看板商品みたいだ」
「両方飲みます!」
「言うと思った」
ほどなくして、私たちは『千有屋珈琲』に入店した。
店内はレトロな内装で、ダークウッドの壁に赤いベロア調のソファ、そして赤い革張りの椅子に木製のテーブルがある。
壁には昭和レトロなポスターが貼られ、メニューもザ・喫茶店というラインナップが並んでいる。
「ミックスジュースと冷コーも美味しそうだけど、ミルクセーキって聞いた事はあるけど、初めてかもです」
「よし、行け」
「どうしよう……。パンケーキも美味しそうだし、この基本のプリンアラモードときたら……! 待って!? 出汁巻き卵サンド!?」
「後悔ないようにいっとけよ」
目を輝かせてメニューをめくる私を見ても、尊さんはまったく動じず、仏のような対応をしてくれる。