想いと共に花と散る
序章
「てめぇは、そのままでいてくれ」
大きな桜の木の下で、貴方は傷だらけの手で私の頬に触れた。
「変わりませんよ、私は」
変わらない人なんていない。人はいつか成長して変わる。
生を受け、いつかは死を迎える。
まるで春が終わって散る桜の花のように。
「今のてめぇは、いい顔してるよ」
そう言った貴方は、柄にもなく屈託のない笑顔を浮かべた。
もし、ありのままの私のことを見てくれる人がいたならば。
貴方達に出会うことはなかったのだろうか。