想いと共に花と散る
大袈裟なまでに興奮する雪を見守っていた沖田と藤堂も団子に手を付ける。
二人もまた、団子の美味さに頬を綻ばした。
「うん、いつも通りの味。美味しい」
「当たり前や。うちの看板商品なんだから」
誇らしげに言う少女は屈託のない笑顔を見せる。
彼女と親しい様子の沖田は、ニコニコと微笑みながらそんな彼女を軽く受け流していた。
雑な態度を取られても少女は気にする素振りを見せない。沖田から雪へと視線を移した少女は、未だせっせと団子を頬張る雪を興味深そうに見た。
「ねえ、その子ホンマに誰なん? 名前は? 歳は? 三人はどういう関係?」
「質問多すぎ」
「だって気になるやろ? 二人が女の子を連れてるなんて珍しいんやもん」
少女はお盆を胸の前で抱えたまま、雪へ向き直る。
その瞳には警戒ではなく、純粋な好奇心と、同年代の少女同士の親しみが浮かんでいた。
「うち、小夜。貴方は?」
「……雪です」
「雪っていうんやね。本当、なんだって沖田君達と一緒にいるのか不思議なくらい可愛い子やねぇ」
「か、可愛い?」
初対面とは思えないほどの距離の近さに、雪は思わず瞬きを繰り返す。沖田達のような異性と関わる経験がなかったのはもちろんのことだが、同年代の女子と関わる経験も浅かったのである。
小夜はそんな雪の反応にくすりと笑みを落とす。柔らかな微笑みを浮かべていた彼女だったが、雪と沖田の間に置かれている包を見つけると一瞬不審げな目を向けた。
「……あれ、その包って通りにある呉服屋のやんね。どうして女の子が袴なんて持ってるん?」
「あー、これは……。色々事情があるんだ。小夜が気にすることじゃないよ」
「………危ないことやないよね」
「それは絶対ねぇって俺らが保証する」
藤堂の真っ直ぐな物言いに少しは安心した様子の小夜だが、表情からは不安がありありと見て取れた。
それでも、現在の雪が置かれている状況を小夜に話すわけにはいかない。あくまでも彼女は甘味処の娘なのだ。
「分かった、これ以上は何も聞かんとく。ああ、でも、これだけは聞いておかんと。雪、袴の着方分かるん?」
「……き、着れない、です………」
「やと思った。流石に沖田君達に着付けてもらうわけはいかん……。そうだ。やお近づきの印に、うちが着方を教えてあげる」
そう言って雪の手を取った小夜は、幼さの残る得意げな笑顔を見せた。
二人もまた、団子の美味さに頬を綻ばした。
「うん、いつも通りの味。美味しい」
「当たり前や。うちの看板商品なんだから」
誇らしげに言う少女は屈託のない笑顔を見せる。
彼女と親しい様子の沖田は、ニコニコと微笑みながらそんな彼女を軽く受け流していた。
雑な態度を取られても少女は気にする素振りを見せない。沖田から雪へと視線を移した少女は、未だせっせと団子を頬張る雪を興味深そうに見た。
「ねえ、その子ホンマに誰なん? 名前は? 歳は? 三人はどういう関係?」
「質問多すぎ」
「だって気になるやろ? 二人が女の子を連れてるなんて珍しいんやもん」
少女はお盆を胸の前で抱えたまま、雪へ向き直る。
その瞳には警戒ではなく、純粋な好奇心と、同年代の少女同士の親しみが浮かんでいた。
「うち、小夜。貴方は?」
「……雪です」
「雪っていうんやね。本当、なんだって沖田君達と一緒にいるのか不思議なくらい可愛い子やねぇ」
「か、可愛い?」
初対面とは思えないほどの距離の近さに、雪は思わず瞬きを繰り返す。沖田達のような異性と関わる経験がなかったのはもちろんのことだが、同年代の女子と関わる経験も浅かったのである。
小夜はそんな雪の反応にくすりと笑みを落とす。柔らかな微笑みを浮かべていた彼女だったが、雪と沖田の間に置かれている包を見つけると一瞬不審げな目を向けた。
「……あれ、その包って通りにある呉服屋のやんね。どうして女の子が袴なんて持ってるん?」
「あー、これは……。色々事情があるんだ。小夜が気にすることじゃないよ」
「………危ないことやないよね」
「それは絶対ねぇって俺らが保証する」
藤堂の真っ直ぐな物言いに少しは安心した様子の小夜だが、表情からは不安がありありと見て取れた。
それでも、現在の雪が置かれている状況を小夜に話すわけにはいかない。あくまでも彼女は甘味処の娘なのだ。
「分かった、これ以上は何も聞かんとく。ああ、でも、これだけは聞いておかんと。雪、袴の着方分かるん?」
「……き、着れない、です………」
「やと思った。流石に沖田君達に着付けてもらうわけはいかん……。そうだ。やお近づきの印に、うちが着方を教えてあげる」
そう言って雪の手を取った小夜は、幼さの残る得意げな笑顔を見せた。