再逢
面接までまだ時間があるから少しだけ寄り道しようかな‥‥
記憶が正しければ確かこっちに‥‥



「うわぁ‥‥!!」


小さいながらも目の前の湖の周りには
色とりどりの美しい花々が咲き誇り、
視覚を一気に幸せで満たしてくれる。

そしてその奥に聳え立つ美しい峰から
吹き込む気持ちの良い風に目を瞑ると、
嫌な事が全て忘れられそうなほど
爽快感に包まれた。


以前来た時は真冬だったけど、
深緑の木々に真っ白な雪がアイシングされ、氷の膜を張った湖をより美しく引き立てていたっけ‥‥


やっぱり私‥ここで働きたいな‥‥

ここは‥何故か呼吸が深く出来る‥‥‥



パンッ!!


「ここで働かせてください‥‥。
 私この場所に一生いたって構いません
 から、どうかお願いします!!」


神頼みではないけれど、手を合わせて
お願いすると、気合いを入れたくて
両手で頬を軽く叩いた。


あのホテルで働けるなら、どんな仕事でも構わない。

都会にいた時は、見てくればかり気にして表に立つ仕事を選んでばかりで失敗したから。


瞳を閉じると、ある光景が目に浮かび、
私の胸を締め付ける‥‥。

こら!せっかくリフレッシュしたのに、
嫌なことを思い出すなんてナンセンスでしょう?


踵をかえしてまた砂利道に戻り、
たどり着いた懐かしいあの建物に
目を細めて見上げた。
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