一大決心して大学院に進学したら、なぜか指導教官の外科医に溺愛されてます
進歩
坂上先生と付き合って、早三ヶ月が過ぎた。
正直、最初は不安しかなかった。
先生も殺人的に忙しいし、私も二足のわらじで手一杯だ。
「付き合おう」なんていうのはその場のノリの口約束で、結局は激務に紛れて連絡が途絶え、自然消滅してしまうんじゃないかと、本気で思っていたからだ。
けれど、私の予想は(良い意味で)裏切られた。
お互い、二週に一度は必ず成果報告のために研究室で顔を合わせる。
これは指導教官と学生としての義務だけれど、今の私たちにとっては、唯一の確約されたデートの時間でもあった。
その後、お互いにパソコンを並べて研究を進めながら、他愛無い会話をする。
そして、時間が時間なら、そのあと適当に飲みに行って、その後は──。
そんな流れが、半ば恒例になりつつあった。
不器用で、色気のないルーティン。
でも、それが私たちには心地よかった。