溺愛銃弾 〜メルティ・your・バレット~
殺される値打ちがあるならいいかな・・・って。見向きもされないで捨てられるよりは。

巻き付いた片手がゆっくり喉に食い込む。怖くはなかった。一花は、陶史郎さんがちゃんとした大人にしてくれる。大丈夫。

全部のはじまりは“沢崎の娘”。・・・だから。

陶史郎さんはやり直せばいいと思う。父のことも全部なかったことにして、そうしたら。優しく笑うあったかいお父さんでいてくれる。

「・・・勝手なこと言うんじゃないよ」

視界が反転してソファに押し倒された。首にかけられた手にさらに力がこもった。頭の芯がしびれて、心臓が。くるしい。

「そうやって簡単に俺からいなくなろうとするから憎らしいんだよ。どうしてもっと俺にしがみつかない?お前の欲しいものを欲しがらない?」

陶史郎さんが怒ってる。悲しそうに聞こえる。意味を分かりたいけど苦しくて、分からないまま死んだら陶史郎さんがもっと悲しくなる・・・!

手を伸ばし、びくともしない硬い腕をつかんで剥がそうと、もがく。
< 20 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop