溺愛銃弾 〜メルティ・your・バレット~
足許に落とした眼差しは、磨かれた黒い靴に注がれてるようで、カタチのないものを探してるようで。

ずっと仕舞ってあった玉置さんの『ほんとう』に、触ってる気がする。ほんのり、あったかい気がする。

「あのグランド・グローバルの真下(ましも)社長とも懇意でしたね。支倉組をビジネスにどう利用しようと若の自由です。思いどおりの泥船に貴方が造り替えてしまえばいい」

声に強さがこもって聞こえた。今度は陶史郎さんを見ていた。

「・・・僭越(せんえつ)ながら若頭は私が務めさせていただきます。好きに使い潰してください」

出てくる横文字も人の名前も、自分が知らない別世界。向こうの世界。でも。

玉置さんが嘘を吐いてないのはわかる。お義父さんにも恩があって、陶史郎さんのために悪者になったり、陶史郎さんに全部あげても後悔しないひと、だった。

獲物を捉えた獣みたいに陶史郎さんが目を細めたのを、ぼんやり見つめる。明日の仕込みなのか、聞き馴染んだ音が自分をひとりきりにしないでくれる。
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