甘々とロマンス中毒
頭に隕石が落ちた。ガコンッ、と直撃してボカンッて爆発して、ポロ…と私は崩れた。

「わっ。誰!?」

いつもなら「幼なじみです」と即答するのに、戸惑いと気まずさに硬直して黙り込んでしまうの。

あやちゃんが絡まった腕を解く。


「一咲って言うの。可愛いだろ」

「え!?あ…はい。…一咲、さん」

「ハイ。桜咲高校に通ってる一咲です。あやちゃんの幼なじみです」

「高校からの同級生、大学の学部も一緒。伊吹は別の学部な」


爆発から戻った私は、閉じた唇を更にきつく結んで、ひとつ頷いた。


「くっつくなって。なに?オマエも来んの?」

「いいでしょ〜〜(むか……)」


女の人は唇をきゅっと三角にした。

“綺麗”をベースに“可愛さ”を残した完璧な配分の顔立ちをしていて、大きな二重に乗せたラメが煌めく。頬にふわりとかかるピンクのチークも同系色の艶っぽいリップも、凄く似合っている。

私とは違う。大人の女性だ。

華奢な腕が伸びた。
あやちゃんに触れようとして、私の心に可愛くないモヤ…が浮上して、凝視したとき女の人と瞳がぶつかった。

「(〜〜〜っ。…わっ)」

当たり前に無視される。今度の一咲は溶けるのです。
おろおろと行き場を失っていると、あやちゃんが女の人の手を跳ね除けた。

「暑いの嫌いだからやめろ」

と、諭したあやちゃんに「ケチ」と言い返す。
あやちゃんは低い声をくぐもらせながら「菫花(すみれ)いい加減にして」と、息を吐いた。

今日、あやちゃんと、あやちゃんをよく知る友だちに会った。大学のこと、お酒のこと。
あやちゃんの日常の中に入れて嬉しいのに、ほんの少し切なくて、胸がひりひりする。
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